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茨城県立医療大学 : 川野 道宏

教育者と学習者の相互作用


本学では、4年前より県の委託を受けて、看護師等養成所の専任教員をめざす方を対象とした茨城県専任教員養成講習会を約1年のカリキュラムで開講しています。そこでは、主として今まで看護師として臨床で十数年働いてきた方が教育者になることを目指し、実践的な教育に関する知識習得はもとより、教育に関する法制度や学校運営など多岐にわたる学習を進めています。看護学科の教員である私はここで教育担当として、主にカリキュラムの調整やクラスの運営などを行っています。講習会では858時間(34単位)のカリキュラムが組まれ、受講生はその中で多くの課題をこなし、グループワークもいくつも重なります。彼らは相当の覚悟と気概を持って講習会に臨んでいますが、1年という長い期間の中では、すべての方が学習に対するモチベーションの上がり下がりを体験しています。

もちろんモチベーションは学習を進めていくうえで必須の要素であり、それを維持するのはとても大事なことです。そのモチベーションの維持に関して、教育担当として私が大切だと感じることは、受講生との密なコミュニケーションです。講習会の教育環境を整えることは教育担当である私の重要な役割であり、受講生のさまざまな要望や不満を受け入れ適切に対応していくことが、受講生のモチベーション維持に繋がります。実は、教育環境を整えること以外に、密なコミュニケーションには、もう1つ重要な影響があることを受講生達から気付かされました。それは、ある授業の発表会の場面で、受講生達の真面目な発表資料の中に、愛着のあるキャラクターとして私が登場した時でした。私は受講生の調整役であると同時に、「親しみのあるキャラクター?」として受け入れられていたのです。当然、人は緊張感を強いられる生活を続けることに耐えられるものではありません。時にはホッと息を抜ける時間も大切で、いや、むしろそちらの方が生きている幸せを実感できるため、より重要なのかも知れません。もちろんこのメリハリは学習のモチベーションにも良い影響を与えます。私が受講生と対峙するときに、少しでもこうした状態を作り出せていたのだとしたら喜ばしいことだと思うのです。と同時に私自身も心が温まり、今後の仕事へのモチベーションとなりました。

教育担当者と受講生の関係に留まらず、教育者と学習者の関係の1つの形として、こういう関係もあるのだろうと私自身納得しています。お互いが相互に認め合うことが、次の行動への原動力になるのだと強く認識した出来事でした。



   
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