今年の3月、日本大学文理学部で開催された「学生FDサミット2016春」へ情報収集のため本学のFD部会員として初めて参加しました。ことの発端は、学生による授業アンケート(インタビュー)を企画しようとした際、集めた資料の中に見つけた「学生FD」という言葉との出会いです。調べてみるとその敷居の高さに困惑し、まずは体験からと申し込みました。学生FDサミットとは、大学教育の改善について、全国の大学の学生・教員・職員が三位一体となり取り組む学生主体のイベントのことで、2009年から年1〜2回学生FD活動を行っている大学を会場(主催)として開催されているようです。
当日、ポスターツアーでは各大学の学生FD活動の紹介ポスターを見て回り、詳しい説明を受けました。大学の教育を改善するための学生の取り組みであり、しゃべり場(学生と教職員が語り合う場)の開催、「学生が選ぶベストティーチャー賞」、「新入生を対象とした活動」「他大学との交流」などで、中には「学生・教員・職員で考える理想のシラバス」と題してシラバスの今後のあり方を探る活動の紹介もありました。実際にしゃべり場も体験しました。参加して驚いたのは活動内容の多彩さと、参加した学生の「これが大学生か」と思わせるエネルギーと行動力です。皆、一社会人と見間違うほどの堂々とした態度や言葉使いと気遣いに溢れ、ファシリテーターの学生はなお頼もしく、感心するばかりでした。
百聞は一見に如かずと思い参加しましたが、この多彩な活動はすぐに真似できるものではなく、少しずつ積み上げていく必要があると分かりました。しかし、一方では大学規模の大小で活動が規定されている訳でないこともわかりました。「大学を良くしたい」という想いを学生と教職員が共有でき、教職員が学生FD活動を支援できる仕組みが整っている大学で活動が活発に展開されている印象でした。
今回の経験をとおして「何か分からない学生FD活動」から「よりよい大学にしたい」という学生、教員・職員の想いから派生する活動であることが理解できました。まずは、本学でも三者が参加し、様々な意見交換をする「しゃべり場」の開催を早期に実現し、教育・学習の質を高めていく活動にそれぞれが主役となって参画していく雰囲気・環境づくりをしていけたらと思います。