毎年、2月の後半はカンボジアへ渡航します。かれこれ15年程になるでしょうか。学生と共に活動を始めて12年目になります。今では、「カンボジア」「スポーツ」でヤフー検索すると、Wikipediaに次いでかなり上位に表示されます。詳細が気になる方は「SPC」を加えて検索してください。一昨年からは、Sports for Tomorrowのムーブメントに参加し、私たちを支援してくれる協賛企業にも巡り合いました。
学生達は、カンボジアでの活動を前に、約半年間の準備をおこないます。航空券、ホテル、バスの手配から、学校体育の指導案やスポーツ指導書の作成。また、最近ではSNSを使った動画教材なども、撮影し編集してYouTubeにアップしています。いま流行りのアクティブラーニングとでもいうのでしょうか。私が学生時代に履修していた「○○実習」なんて、比にならない内容の教材を学生達は作成していきます。そのため毎週水曜日は0時限目にミーティングです。みんなで一週間の予定を確認します。しかし、この学生主体でおこなわれるミーティングが、なんとも手際が悪いのです。学生同士で「あ〜でもない、こ〜でもない」と言っています。なので、じれったくてしょうがないのですが、ミーティングの最後に「先生から一言お願いします」といわれるまでは我慢します。そしてマシンガンのように、「あれが必要だ」「準備が遅れている」と学生達に話します。そしてアクティブラーニングってなんだろうと疑問に思います?
そこでWikipediaで調べたら「能動的(アクティブ)に学修(ラーニング)に参加する」と書いてあります。大きな勘違いをしていました。これまで何か作業が伴う授業を、アクティブラーニングだと思っていました。「アクティブ」を「行動的」のニュアンスで強く捉えていました。座学にしても、実習にしても、学生が能動的(自ら働きかける)にならなければ、アクティブではなかったのです。
幸いにも我慢強さが功を奏して、学生達のミーティングを邪魔することは少なかったようですが、最後の一言はいけません。学生達が、おぼつかないながらも自分達でミーティングすることに、意味があったことを認識しました。それから、学生達へのアプローチの仕方を変えました。指示を減らして配慮の割合を増やしました。「進み具合はどう?」「何か問題ない?」と声をかけると、以前よりも、双方向の会話が増えたように思います。
今、この役目は代替わりし、12年前、この活動の創成期を担った卒業生が教員として担当しています。彼女は、カンボジアでの青年海外協力隊活動を終え大学に戻って来ました。学生達と年齢も近いし、お姉さん的な存在です。現在、彼女もアクティブラーニング中。次の10年、学生達と彼女がカンボジアでどんなスポーツ支援を築き上げるのか楽しみです。