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山形大学 : 呉屋 淳子
 

私の「バグ(bug)・リスト」

人類学のフィールドワークは、単なるデータ集めではなく、現地の人々やプロジェクトメンバーなど、プロジェクトに関わるすべての人たちとの関係の上に成り立つものである。誰が関わるかで、その年ごとにそのバランスは変化し、最後には違った形でフィナーレを迎える。そこでは「自分のやり方」みたいなこだわりはただの障害でしかなく、出たトコ勝負で柔軟に対応していくしかない。だから、フィールドワークとは、日頃の「当たり前」をぶっ壊し、たくさんの気付きを与えてくれる大切な機会であると言える。それ故に、己に変化をもたらしてくれるものであるとも言える。

これまで私は、フィールドワークでの人付き合いが比較的得意な方だと思っていたが、どうやらそうではなかったのかもしれない。というのも、大学間連携の事業で、「大地連携ワークショップ」の企画・引率を担当するなかで、いま、ちょっとした試練に対峙しているからだ。ちなみに、担当するのは二年目になるが、昨年度のニューヨークのプログラムのときもいろいろあった。たとえば、海外の協力校とは、時差があるだけでなく、直接顔を見ながらやり取りができなかったため、フラストレーションが溜まるばかりだった。

そのフラストレーションを解決すべく、昨年は、自分のための「フィールドノート」を作り、そこにいろんなことを書き込んでいった。たいていの人類学者は、常にフィールドノートを持ち歩き、自分の日々の経験をまたとない素材と利用するため、自分が驚かされたもの、とりわけ欠陥らしくみえるものを詳細にメモしていく。そして、それを「アイディア帳」「ネタ帳」として活用する。しかし、昨年は自分自身を悩ますものだけを書き留めるために、フィールドノートを作り、それを「バグ(bug)・リスト」と名付けた。ちなみに、バグ(bug)とは、小さな昆虫という意味のほかに、ソフトウェアに含まれる誤りや不具合を意味するIT用語として用いられている。システム開発者(SE)は、ソフトウェアにバグが見つかると、それを修正し、ヴァージョンアップしたり、修復プログラムを提供したりする。
  去年のリストを見返すと、協力校との「バグ」が多かった。しかし、今年は、自校を含め他大学の教職員、参加学生との「バグ」が多い。さて、どうやって「バグ」を修正していこうか。修正すべきするとことは修正し、なんとか持ち直したいと思っている。

今年の「バグ」への対処については、プロジェクトの報告書のなかで紹介できればと思う。


   
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