東北生活文化大学 : 栗山 孝雄
「授業改善アンケートの結果より」
私は、本学家政学科健康栄養学専攻に所属している。本専攻は、管理栄養士養成課程である。そのため、授業内容は栄養士法に基づいて開設されている。私自身は、地域住民の健康の維持・増進を栄養面や食生活の面から扱う「公衆栄養学」に関する科目を担当している。担当科目の中で、地域住民への健康や栄養に関する教育、情報発信に関する演習形式の授業がある。この科目は4年次に通年で開講し、全30回実施している。授業は毎年、ほぼ同じ内容で行っていた。数年前、この科目の授業改善アンケート結果が、例年と異なる様相を示した。総合評価の点数が4点台前半から3点台前半に低下した。併せて、自由記述の質問の回答も、前年度と対照的な結果となった。具体的には、その年度以前の自由記述では、「栄養面について指導する際に、どのようにしたら上手く伝えられるか考えることができた」、「将来役に立つと感じた」等、受講して良かった点が見受けられた。しかし、その年度については、良かった点についてのコメントはなく、良くなかった点・改善すべき点として「先輩の真似をして行ったので、何も得られた気がしない」、「役に立っていない」等の意見が寄せられた。同じ授業の内容、かつ同じアンケートの質問に対する結果である。違うのは、受講した(アンケートに答えた)学生である。1年の違いで、これほどにも受講者の反応が異なったのは初めてのことであった。自由記述の違いは、総合評価の低下につながったと思われる。
先述の通り、この科目は4年次開講である。学生にとっては、大学生活最後の科目である。その評価が厳しい内容であることは、授業担当の立場としても考えさせられるものであった。このアンケートの結果が、授業内容の大幅な見直しにつながった。
この科目は平成30年度から、前期と後期の半期開講の2科目に改組される。授業内容の見直しも必要となる。これまでのアンケート結果を踏まえ、受講者の将来につながる授業内容の展開を目指したい。
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