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群馬パース大学 : 古田島 伸雄

「検査技術学科教育課程の臨地実習を終えて」


本学は看護学科、理学療法学科、検査技術学科、放射線学科並びに臨床工学科の5学科で構成される医療系大学で、現在1,042人の学生が勉学に励んでいます。私が在籍している検査技術学科は2013年に開設され、本年3月、1期生54名が社会に旅立っていきました。

本学科は社会人としての教養と最新の専門知識、技術能力を備えた臨床検査技師の養成を目指しています。教育課程(カリキュラム)には臨地実習科目があり、実践的且つ高度な知識と技術の習得を目指し、先端・高度医療を提供する医療機関において8週間の実習を実施しています。今年度も5月初旬から7月中旬まで、関東甲信地区の28医療機関で実習を行いました。また、臨地実習後、実習指導の充実を目的として、学生を対象とする27項目のアンケートを、webを用いて施行しています。今回はそのアンケート結果について紹介します。

@「臨地実習前準備」について、実習要綱、事前学習の量および内容について尋ねたところ、80〜90%が「適切であった」と回答しましたが、10〜20%は「どちらかといえば適切でない」または「適切でない」との回答でした。A「臨地実習先でのオリエンテーション」は約60%の施設で開催され、うち約70%で実習の流れ、目的、方法などの全体像を掴むために有効であったことがわかりました。B「実習先から記録物や実習成果などの提出を請求されたか」の問いに対し、75%の施設で請求が有り、うち90%で学生が実習を深く理解する上で効果があったとの回答が得られました。C「施設内での勉強会に参加する機会があったか」の問いには70%が「あった」と回答しましたが、「学びを深める上で役に立ったか」の問いには「そう思う」が55%、「どちらかといえばそう思う」が15%でした。施設内の勉強会は、より臨床的、専門的で学生にはやや難解であったようです。D「臨地実習指導担当者」については、理解しやすい助言や指導が得られたかなど4項目について問いました。その結果、「得られた」との回答がいずれも95%前後でした。医療施設の実習担当者に心から感謝いたします。E「自分自身」については、「予習をしていたか」の問いに約20%の学生が「していない」、「どちらかといえばしていない」と回答したことに驚きを隠せませんでした。また、「積極的に質問できたか」の問いに対しては「そう思う」が32%、「どちらかといえばそう思う」が47%に留まり、若干、積極性に欠けるように思えました。また、「指導者からの質問に答えられたか」の問いには、「そう思う」8%、「どちらかといえばそう思う」60%と、予習をしていないなど勉強不足が考えられました。「臨地実習を終え、各実習科目における知識が向上したか」の問いには92%が「向上した」、「どちらかといえば向上した」と答え、臨地実習が知識の習得に不可欠であることが改めて確認されました。更に「臨床検査への関心がさらに高まったか」の問いに、96%の学生が「関心が高まった」と答えていたことで教員としては安堵しました。また、「対人関係のためのスキルが向上したか」の問いには、90%が「向上した」、「どちらかといえば向上した」と答えており、この実習がコミュニケーション能力の育成に大いに役立ったと考えます。

臨地実習を経験した後は、皆、表情が引き締まり、大人びて戻ってきます。学生は医療機関で働く自分の姿をイメージすることができるようで、患者さんが見える臨床での体験は新鮮で充実した時間であったようです。今後も充実した臨地実習を実施するために実習施設と連携を密に取り、教育と臨床の現場でどのような指導が学生にとってより良いのかを模索しながら、幅広い知識を習得し、社会的能力や学習能力、科学的思考、判断力、主体的姿勢を持つことができる臨床検査技師の育成を目指していきたいと思います。


   
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