本学の教育改善にかかる事業はさまざまある。今回は授業改善「ピアレビュー」を取り上げる。教員各々が独自に授業改善に取り組む姿勢に変わりはないが、学生による授業改善アンケートとともに教員間の授業改善「ピアレビュー」を行い、冠の違う教育改善事業含め、各々が教育の質の向上に努めている。
本学のピアレビューの基本は、その実施を促進し、より積極的な授業改善につなげるために各学科ごとに「授業公開ウイーク」を設けている。期間中は、原則的にすべての授業を「公開」とし、授業担当教員、レビュー実施者の双方が努力し、積極的にレビューを推進するとともに、授業担当者は幅広く声かけし、レビュー実施者は誠実に行うとしている。しかも簡易な手順ながらも標準化された評価ポイントで行われる工夫がなされている。特筆ながら本学科は、実施期間を授業開始日から授業終了日までとしている。実施率は、29年度84.0%、28年度82.6%、27年度82.4%、26年度70.2%、25年度75.3%、24年度77.2%、23年度65.7%となっており、実施率が上向いている。特に昨年度は、准教授の実施率が高く95.5%であった。
筆者は、当然受ける側であり、レビューする側でもある。9年目となりマンネリに陥らぬよう努力しているが「ついつい」の声がもれる。その際、ピアレビューペーパーに目をやり、また他教員のレビューメモを見返す。昨年を振り返り、メモ事項の取り入れを行うなど緊張感を忘れない授業内容に臨んでいく。今後は、自分の担当範囲のみならず、総合的な学生育成、人材育成に一層前向きに取り組み、決して自己満足に終わらず、学生の満足度や充実感を得る授業改善を目指したい。
本学におけるピアレビューは、前述の基本方針を以って、有用な専門職としての卒前教育を成し得るために、異分野であっても互いの授業をレビューし合うことで、教員各々の自己授業改善への取組み姿勢を見つめ直せている。