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山形大学 : 松坂 暢浩


『改めて多人数型授業の運営について考える』

本学の基盤共通教育のキャリア教育を担当し6年目になります。今年度前期「キャリアデザイン」の授業は、履修者が約1200人と全1年生の約7割の学生が受講するまでになりました。必修の授業ではないのに、このように多くの学生が履修してくれていることを大変うれしく思っています(単位が取りやすいという理由かもしれませんが…)。ただし、キャリアについて考えたいという学生のニーズが高いということは、一方で将来への不安を抱えている可能性があります。ぜひそのような学生の不安を解消できる授業が提供できればと考えています。

さて今回は、「自己理解(キャリデザイン)」(前期開講)の授業について書きたいと思います。本授業は、学生が履修しやすいよう週5回同じ内容で開講しています。また学生同士の学び合いやコミュニケーションスキル向上を目指し、グループワーク中心で授業を行っています。しかし、人数が増えたことで1授業あたり200名を超える授業があり、また大規模教室でグループワークを取り入れた授業運営を行うという状況になっています。また新任の先生に授業を担当していたいただくことになりましたので、私以外でも運営できる授業設計が求められていました。このエッセーでは、多人数型授業の運営に関して強化したポイント6点について紹介をします。

@ランダムにグループを指定:仲の良い学生同士で固まらないように、教員が学生の座席を指定し、様々な学部の学生同士がグループワークを行えるようしています。また知らない同士で着席するため、不要な雑談が減る効果もありました。また学生のグループ変更を複数回実施しています。

A授業進行をパターン化:授業の進め方を毎回同じステップにすることで、学生が次に何を行うかを意識しながら主体的に取り組めるようにしています。


B授業のルールを共有:授業の妨げになる行為に注意する機会を減らし、また社会人になる上で必要なマナーやルールを守る意識を高めることができように、履修上守るべき最低限のルールを設定し、授業を始める前に毎回確認をしています。


Cペア・グループワークの工夫:大教室(階段教室)の固定式の椅子でも実施できるようにメリハリをつけています。まずペアワークを座って隣同士で行い、グループワークは6名1グループがその場で席を立ち、お互いが向き合うように体を回転して行っています。


Deラーニングシステム「ウェブクラス」の活用:これまでは、授業のレジュメを当日紙で配布し、課題(ミニッツレポート)は紙に記入したものを回収し返却していました。今年からは「ウェブクラス」にレジュメのアップし、課題もそこから提出してもらう形に変更しています。これによって、学生の事前学習ができるようになり、また採点結果や教員からのコメントもタイムリーにできるようになりました。


Eピアメンターによる授業補助:以前の授業履修者に授業サポーターをしてもらうことで、グルプワークの際に目が届かない学生へのフォローをお願いしています。また授業運営に関して学生目線からのフォードバックを授業終了後にもらうようにしています。


これまでの第7回まで授業が終わりなんとか順調に運営できています。ただし、中間の授業改善アンケートを実施したなかで「グループワークの時間(ワークの時間が短いなどの意見)」や「教室環境(プロジェクター・照明・空調等に関する意見)」に関する改善要望がありました。これらの点に関して可能な限り配慮していきたいと考えています。


   
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