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苫小牧駒澤大学 : 関谷 雅弘


クラウドの利用による授業展開

東京オリンピックも2年後に迫り、世の中では様々なことが言われております。私の関心事は、思いつきのように上がってきたサマータイムに関することです。情報関係の方々は、これは大変な問題と捉えており、世の中の大混乱は目に見えています。ただでさえ、元号の変更、消費税増税、しかも複数の税率が混在することになるなど、情報システムに関わる人々は戦々恐々としています。

それはさておいて、私は8年ほど前から、フリーのLMSである Moodleを導入して、授業に活用しています。Moodleは、日本でも多くの大学で利用されているので、ご存知の方も多いと思います。2014年にからは、eポートフォリオ Mahara も導入し、初年次教育に使い始めました。他の教員にも活用していただこうと、啓蒙活動や講習会なども開きました。しかしながら、学生はついてくるのですが、教員は一向についてきません。マニュアルなどの整備も進めたのですが、結局のところ、次年度は初年次教育から外れてしまい、私のパワー不足で全学での運用には至りませんでした。ここを乗り越えていれば、授業改善、教育の質改善などの展開も変わっていたかもしれません。  

私が全学的な運用を断念したもう一つの理由は、サーバの運用の手間が半端ではない事です。OSのアップデート、Moodleのアップデート、ウィルス対策、ロボットやハッカーの攻撃対策と、イタチごっこでキリがありません。特にランダムパスワード攻撃は無数にやってきますので、それ相応の対策が必要になります。新しい、教材の作成よりも、こちらに手間がかかってしまい、授業改善の目的が薄れてしまいました。全学の協力が得られないなら、サーバを維持することは困難なので、個人の出費でsakuraのレンタルサーバを利用することにしました。

sakuraのレンタルサーバを利用しても、Moodleのインストール、更新作業は残ります。そこで昨年から、MoodleCloud ( https://moodlecloud.com ) を利用することにしました。このクラウドサーバは登録者50人までならば、制限はありますが無料で使用することができ、有料にアップグレードすると、登録者の人数も増え、いくつかの便利なプラグインも使えるようになります。私は、50人の制限の中で学期ごとにやりくりしながらギリギリの運用を行っています。MoodleCloudのおかげで、ほぼ常に最新の安全なMoodleのバージョンを使うことができ、私はコンテンツ作成に力を注ぐことができるようになりました。

クラウドを利用するには、若干の費用が生じる場合もありますが、何と言ってもメンテナンスフリーで使え、ネットとブラウザがあれば、場所を問わず、自宅や通学電車の中からでも利用可能なことでしょう。教員は、コンテンツの制作に集中することができます。本学のような、資金も人材も乏しい小さな大学にとって、クラウドサービスの利用は大きな可能性があると思っています。

Moodleを使った事がないけれど、興味を持たれた方は是非MoodleCloudを一度利用してみてください。また、毎年MoodleMoot 開催されており、初心者、中級者向けのワークショップも開かれていますから、興味のある人は是非参加してください。2019年大会は、2月27日から3月1日まで静岡理工科大学で開かれます。Moodleのハードルが高いと思われる方は、iPadのみの運用になりますが、「ITunes U」という選択肢もあります。最近はScrapbox を授業運営に活用している人もいます。私も、今後の活用を検討しています。


   
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