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青森公立大学  今 喜典


「学生の授業アンケートを補う仕組み」

 青森公立大学は、経営経済学部(経営学科、経済学科、地域みらい学科)と大学院経営経済学研究科からなる経営経済系の単科大学です。本学の教育で授業改善にもっとも貢献している仕組みは、毎学期の最後にすべての授業(演習を除く)を対象におこなわれる授業アンケートでしょう。担当授業科目についてのアンケート結果は、教員へ配布され、教員は結果に対して回答を提出します。アンケート結果と教員の回答のすべては、図書館で学生と教員に公開され、誰でも自由に手にとって見ることができます。
 このアンケート結果の自由記述コメントの内容は、私の経験からも、自分の授業の問題点を改善するのに、ずいぶん役に立ちます。もちろん正反対の記述内容もあり、学生によって受け取り方のちがうことが、よくあらわれています。それでも教員に気づかなかったことに気づかせてくれる、また意図しておこなっている手法であってもその程度の判断を再考させてくれる得がたい情報源です。
 授業アンケートは、教員が欠点の指摘を受けて、マイナスを少なくするという方向での改善効果が強いと感じています。大学組織としては、標準的教育水準の維持が必要なことから当然の性格でしょう。しかし、授業の改善というとき、教員が優れた内容を維持し、魅力を高めることをうながす仕組みで補完することも、望ましいように思われます。
 工夫や努力を認めてもらうことのうれしさは、学生だけでなく、教員も同じです。この方向の仕組みは、日本ではまだそれほど定着していないのではないでしょうか。たとえばアメリカでよくある、今学期のベストティーチャーを選ぶことなども考えられるでしょう。これは大学が行うよりも、たとえば学生が自主的に選ぶのが適しているように思われます。
 教員が学生におもねることを助長する、人気取りになる、などの批判もありえますが、学生は多くの場合、的確に授業のよさを判断するというのが、長年の大学での教育経験から得た実感です。ハーバード大のサンデル教授(政治哲学)の「白熱教室」がTVで放映され話題になっています。サンデル教授の授業展開のあざやかさ、大講義室の多数の学生の活発な参加の様子が印象的です。受講生の数の多さは、学生のこの授業に対する評価の高さを示していますが、これは学生の評価の確かさも示していると思われます。
   
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