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あっとおどろく大学事務NG集
 
 

山形県立米沢女子短期大学 吉田 歓  

 このFDネットワーク'つばさ'の前身ともいうべき'樹氷'の時代、公開授業後の討論で、Y大学の先生が、学生は90分の授業に耐えられないので、途中で休憩を入れるといい。例えば、配付資料をわざと落とすんだ。それを拾っている間、学生は休めるのでとてもいい、という趣旨のことを発言していた。
 人文学を志す者にとっては、きわめて興味深い素材である。しかし、とてつもなく哀しい。まさに人間存在の本質の一端がえぐり出された瞬間だった。20世紀までは、暴力や恐怖、強制力や不条理によって人間の本質がえぐり出されることが多かった。しかし、21世紀は何の変哲もない日常でも自らその本質をえぐってみせる時代に突入したようである。この先生は一体、何に突き動かされているのだろうか。大変興味深かった。
 私の勤めている短大の創立50周年記念資料室を見たり、「創立50周年記念誌」掲載の卒業生の思い出を読んだり、直接お話をうかがうと、創立当初の感動が伝わってくる。戦後まもなく、米沢という地方都市に、しかも女性のための短期大学ができた。入学して好きな勉強を好きなだけやれる、という感動がとてもよく伝わってくる。
 しかし、こうした大学の時代はとうに終わっているようである。恐らくこのような時代はもう戻っては来ないのだろう。私は特に懐古主義者ではない。しかし、もし大学という名前を捨てないのであれば、少なくとも高校までとは本質的に異なっていつづける必要があろう。
 だが、昨今の大学を取り巻く状況を見ていると、そのようにはいかないようである。大学の本質を潔く捨て名前も捨て去るのか、逆にもう一度再生させようとするのか。これから議論をきちっとしていく必要がありそうである。
   
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