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 日本女子大学  小山 高正
 (学園活動評価・改革推進室 心理学科教授・副学長)
 

FD活動展開の方法は?

 FDが義務化されて4年が経った。学士課程で義務化される直前平成20年3月の所属学会で、FD研究のワークショップを開催したところ、思いの外大勢の参加者があり、FDへの関心の高さに驚かされたのであった。その後、自分がFD活動を統括する部署に来てみて思うのは、大学教員の大多数はFD活動が嫌いか、関心がないかであるという現実であった。FD講演会の参加者の人数と顔ぶれを見ても、去年何とか導入ができた授業公開も今年は危うくできなくなるところであったことから考えても、それが我が校のFD活動の現状である。ただ、昨年立ち上げたFD事例研究会、すなわち授業運営上の問題点や工夫を10数名の少人数で話し合う活動については、報告書という形でまとめてみると、少しではあっても普段からこういうことを考えて授業をしていらっしゃる先生がいるということを知ることができた。 一時ではあったが胸が熱くなった。職員のアイデアから出たこの形のFDはいいのではないかと思ったのであるが、FD委員の先生にお尋ねしてみると、各学科で行われている非常勤講師の会、つまり日頃お世話になっている非常勤講師への感謝と慰労の意味から、先生方をお招きして酒食を共にする会であるが、そのときに、先生方から授業の様子、学生たちの様子などを伺う機会があるというのである。その内容はFD事例研究会の中身と重なることがあるので、この非常勤講師の会の記録を何とか残せないかと考えるのだが、それをまた学科に依頼すれば嫌われることは目に見えている。デジタル化が進み、記録を残すことが非常に多様で、容易になった現代、FDももう少し多様化し、教員にとって負担感が少ない方法を考えないといけないのであろうと思いはするのであるが、すぐにアイデアが出るわけではない。
 最近の文科省のホームページなどを見ると、副大臣あたりが動画像クリップで予算やプロジェクトの説明をしている。しかも、それらはあのユーチューブなどにアップされていて、それをお役所の公式ホームページに貼り付けてあるのである。大学は、私の大学はと申し上げた方が正確であろう、ちと遅れているのではないかと思うのである。山形大学さんでは、授業NG集や学生対応NG集、また最近ではグッド・プラクティス集もアップされているようである。あれと同じものはとてもできるものではないが、心ある教員が自分の授業の様子を学生に撮影してもらい、5分くらいの部分を選んでもらって、大学のホームページにアップしてもらえないであろうか。そこに学生からのコメントでも付けてもらえれば、紙の授業評価よりはずっと良いものができるのではないか。それらは、教員にも見てもらいたいのであるが、学生たちにも見てもらいたいと思うのである。
 そんなことを考えながらまた今年度のFD活動を終えるのであるが、あれもやってみたら、これもやってみたらというFD活動に何とかしたいと思っている。FDは好きな人がやればよいという意識を変えるためには、学生の力を借りるほかない。学生にFDに関心を持ってもらい、参加してもらえるようになれば、教員の意識も自然と変わるのではないだろうか。昨年の2月に書かせていただいたこの授業改善リレーエッセイと同じ結論になったところで、擱筆することにしよう。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

   
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