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 いわき短期大学  吉津 恭子
   (いわき短期大学教授 学生部長・ALO)
 


 今、8月12日締め切りの日にあわててこれを書いている。
 いわき短期大学は、3月11日の未曾有の大震災で3月24日に予定していた学位記授与式を執り行うことができず、入学式は5月7日に行いました。よって授業もずれ込み、8月12日にようやく追・再試験を終えることができました。しかし17日から、集中講義などが始まりますので、学生、教職員は体力、気力勝負といったところでしょうか。これからは学生の精神面でのケアが必要になってくるように思われます。
 3月11日、私は体調を崩し自宅にいました。他の多くの教職員は学校におりましたので学生を避難誘導するなど大変でした。
 私はその間、津波が来たとの情報で高台にある県立小高工業高校に避難、保健室係をしておりました。保健室にベットも少なく狭いので、次々教室を病室代わりに椅子の上に畳を置いたりしてベットを作っていましたが、その時に嵐、雪、校庭は土埃が舞い、寒く、頻繁に余震がある中、部活で残っていた高校生や教員が外での誘導係を行っていた。SPEEDIを見て後で知ったが、もうすでに汚染されていたのなら若いこれからの子たちを外に出すことは絶対しなかったと悔しくてならない。
 12日のお昼前には、津波で流された人を捜そうとしていた人たちが、放射能で汚染されているので、地域から出るように言われ、探せなかったと悔しそうに戻ってきた。次々と、情報が錯綜する中、南相馬市小高区では夕方、20キロ圏内から出るように指示があり、着の身着のまま、原町第一小学校に避難したのだが、13日には、小高に戻る道路は閉鎖をされてしまった。私は体育館にいた旅行中に被災した埼玉の大学生をこのままここには置けないと3人乗せ郡山に送り、郡山1泊、次の日には、福島空港からの臨時便で、空席がある千歳空港に乗り、直ぐに羽田空港行きに乗り換えて、東京一泊、その後妹のいる愛知県安城市に避難した。目に見えないものに怯え、何が何か分らないまま、遠く遠くと逃げていた。
 その頃大学では災害対策本部を作り、炊き出しや学生の安否確認、留学生の受け入れ先確保、そして国に返す作業などを教職員は自宅にも戻らずに行っていた。私も、自分ができることをその場で行えばよいという学長の言葉に励まされて、ゼミの学生の安否確認などを避難先から行っていた。その間に、危険になってしまった1号館からものを運び出したり、震災ブログを立ち上げたり、学生の救済する準備をし、新しく調理実習室や介護実習室、器楽演習室等の教室を作った。
 結果、短大は新2年生は2名が転学、1年生は10名が入学辞退。ほとんどの学生が戻ってきたことには感動しました。すべて後手後手になる国の対応と違い、震災や津波、原発、保護者の職を失うなどの被災状況により、授業料全額免除や学生寮や女子寮などの無料提供などの対応がそれこそSPEEDIあったからだと思う。詳しくは『財界ふくしま』の8月号9月号などに掲載されている・・・  紙面がなくなってしまうので、今年度のFD活動について述べる。1.「相互評価」を希望する学校に依頼をし、今年度中には前進したい。2.第三者評価の第2クールに向けて学習会を自己点検・評価委員会で行い、その後全学的に行う。3."ネットワークつばさ"の研修会参加や授業評価をおこなう。4.FD講習会を行う。
 学長をはじめ、教職員一丸となり、学生に震災の影響を出来るだけ少なくして、有意義に勉学に励むことができることを願っている。

   
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