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特色ある教育の開発、教育力の向上をめざして

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あっとおどろく大学事務NG集
 
 

 青森県立保健大学  浅田 豊
 (評価・改善委員会委員)  
 

   「SDL(自己主導型学習)の推進と授業改善〜教育の質向上に向けた取り組み〜」

 人々の健康と生活の質の向上を、ヒューマンケアの実践を通して実現できる、優れた人材の育成を本学では目指しています。学部学生は看護学、理学療法学、社会福祉学、栄養学の各専門領域から、日々主体的な学びを積み重ねるとともに、幅広い教養の獲得と豊かな人間性の涵養に力を注いでいます。さらに地域特性への対応能力やグローバルな視野の育成も、本学の目標・使命として掲げられています。FDに関しても年々拡充・発展的に試みを続けており、教員同士の相互授業参観評価(ピアレビュー)の実施率が近年上昇しつつあります。また教員の能力開発に向けた指針やプログラムを体系化した、FDマップが全学的に完成しました。従来の教育活動を中心とするFDから一歩進み、教育・研究・社会貢献・組織運営の4領域、導入・基本的実践・応用・他者支援の4段階から、教員各人のFDの計画的実施をサポートする内容にまとまっている点が、同マップの最大の特徴です。
 全学的なFDの方針のもと、筆者の授業では、主にSDL(自己主導型学習)の推進を基に、講義・演習の改善を毎年、続けてきました。講義では、他者に管理される受け身の学習とは異なり、学生が既習事項や経験を生かし、教員に依存することなく学習を進めることを重視しています。即ち学生が自律的に課題探究に向かい、相互協力的に学習が推進できるように、教材を工夫しています。また講義中に必ず質疑応答の時間を設けるとともに、対話の時間を一定程度確保するように努めています。学生同士、教員―学生間のディスカッションが、その後の学習意欲や発展的な学習・研究に連結されることを意図しています。さらに、講義では内容知はもとより、調べ、意見交換や自己表現をするなどの方法知、そして情意の面の三者の獲得と統合を目指します。
 演習では、本学の目指す連携・協調の精神・能力の向上に少しでも結びつくように、改善を続けてきました。SDLの視点から、「LEARN」の考えを実行できる能力 (listen:討議・作業中相手の意見をよく聞き、主張や心情を把握するとともに、主体的に仲間意識を高めていく。explain: 自己開示し、適度な自己主張・制限と自分の特性認識のもとで、説明等に参画する。acknowledge:お互いを認め合い理解し合うとともに、自分と異なる意見や立場、文化を尊重する。また相互補完的に振舞い、お互いをやる気にさせる。recommend:葛藤を乗り越え活動実施上の軌道修正を適宜行なうとともに、実施上の優先順位を付け提案し、活動に建設的に貢献する。negotiate:成員間の試行錯誤や交渉・相談を通して、自分の役割分担を全うし効果的に問題解決を行なうとともに、中間及び終末に活動の点検・省察を自律的に行なう。) の開発を目指しています。筆者の取り組みはまだ途上ですが、保健医療福祉に関する体系的知識・汎用的スキル・創造性を含む学士にふさわしい能力・資質の向上に少しでも貢献できるよう、日々授業改善と研究に努めたいと思います。
   
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