【授業概要】
・テーマ
理想気体の状態変化を基礎として蒸気の性質を学び、気液二相サイクル、ガスサイクルの熱設計が出来るようにする。
・ねらい
機械工学基礎IV及び熱と流れの力学で学んだ熱力学の第一、第二法則を復習するとともに、蒸気の性質に関する基礎知識について講義する。それらの基礎知識の上に気液二相サイクル、ガスサイクルの熱機関を学び、熱効率を向上させる方策を探求する。毎回演習を添える。
・目標
基本可逆機関(サイクル)としてのカルノーサイクルをベースに実用機関のランキン、オットー、デイーゼルそしてガスタービンサイクル等を理解する。
・キーワード
状態量と状態変化、質量の保存、エネルギー保存則、熱力学の第2法則、
【授業計画】
・授業の方法
教科書の各章末に整理されている演習問題を足掛かりに、講義を進める。 ・日程
第1週 [復習]第一法則 第二法則、カルノーサイクル、不可逆性の尺度としてのエントロピ
第2-3週 蒸気の一般的性質
第4-5週 蒸気の熱的状態量
第6週 蒸気表・蒸気線図
第7-8週 気液二相サイクル(ランキンサイクル等)
第9週 気液二相サイクル(再生サイクル、再熱サイクル等)
第10週 冷凍サイクル
第11週 オットーサイクル,
第12週 デイーゼルサイクル
第13週 サバテサイクル、ガスタービンサイクル
第14週 複合サイクル
第15週 試験
【学習の方法】
・受講のあり方
エネルギー保存則と状態変化を足掛かりとして課題に取り組む演習を主体として講義を進める。
毎週レポート提出を課す。
友達と相談しながら時間内にレポートを完成させるよう努める、
教科書の各章末にある問題を自力で解いてみる事。
解けない場合、 ・予習のあり方
教科書の各章末にある問題を自力で解いてみる事。
解けない場合、授業時間に質問する姿勢が重要である。 ・復習のあり方
レポート課題及び教科書の各章末にある問題を自力で解いてみる事。
解けない場合、教官研究室に出向き、質問する姿勢が重要である。
【成績評価の方法】
・成績評価基準
15週目の試験(60点)と、毎週のレポート(40点)の合計点で60点以上を合格とする。
基本的には毎週のレポート課題と同じ意味合いの問題を出題し、到達度をチェックする。 ・方法
筆記試験およびレポート(演習等)の結果を総合し成績を決定する。合計60点以上が合格。
【テキスト】
斉藤 武、大竹一友、三田地絋史、工業熱力学通論、月刊工業新聞社、3,000円(1999)
【参考書】
平山 直道・荒木 良一郎、例題で学ぶ熱力学、丸善、2,884円(1991)
森 康夫・一色 尚次・河田 治男、熱力学概論、養賢堂、3,700円(1986)
【科目の位置付け】
エネルギー変換の基礎科目であり、社会の電力供給と熱機関の根源を学び、それらの効率改善により地球温暖化防止に貢献することが出来る科目である。
【その他】
・学生へのメッセージ
エンジンの性能を上げるにはどのような取り組みが必要か理解することが出来る。
熱効率向上がすなわち省エネルギーである。
動力と同時に、排熱をくまなく使い切る総合システムを立案できるようになる。 ・履修に当たっての留意点
熱と流れの力学(520045)及び演習を受講し、熱力学の第一、第二法則や完全気体の状態変化等について一通り理解していることを前提としている。 ・オフィス・アワー
地下水実験棟 2F 随時 ・担当教員の専門分野
熱工学、地下帯水層蓄熱利用、雪国エコロハウス、自然エネルギー
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