環境地球化学演習
 Exercise of Environmental Geochemistry
 担当教員:鈴木 利孝(SUZUKI Tositaka)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 科目区分:地球環境学科・選択科目 
【授業概要】
・テーマ
地球化学分析法およびデータ解析法
・ねらい
地球上の物質循環像を描き出すのに多用されるデータ処理法や分析法について学びます。地球上の物質の性質や動きは、まず系内の基本的化学量(濃度、放射能など)を求め、それを地球科学的情報(フラックス、過剰量など)に変換し、解析(平均、回帰、時系列化など)することによって見えてきます。本演習では、練習問題を通して計算・解析法を身につけるとともに、主な地球化学分析法の原理について学びます。
・目標
地球上の物質循環像を描き出すのに必要な分析法やデータ処理法について学び、練習問題を通して計算・解析法を身につけることを目的とします。
・キーワード
地球化学、数値計算、統計処理、地球科学モデル、放射壊変、機器分析

【授業計画】
・授業の方法
各テーマ毎に説明をした後、練習問題を解きます。問題の回答は翌週、レポートとして提出してもらいます。板書、OHP、プリントにより授業を進めます。
・日程
1.授業概要説明
2.化学計算の基礎I(物質、原子量、分子量等)
3.化学計算の基礎II(化学反応、有効数字等)
4.化学計算の基礎III(濃度の種類、濃度計算等)
5.地球化学データ解析の基礎I(濃度比、過剰量、濃縮係数等)
6.地球化学データ解析の基礎II(現存量、フラックス、定常状態、平均滞留時間等)
7.地球化学モデルI:鉱物エアロゾル濃度の変動と供給源推定(加重平均、回帰、相関等)
8.放射化学の基礎I(壊変様式、壊変速度、単位等)
9.放射化学の基礎II(放射平衡、逐次壊変等)
10.地球化学モデルII:極地氷床の堆積速度決定(放射年代測定、計数誤差、誤差の伝達等)
11.地球化学分析法I:光分析(ICP発光、原子吸光法、検量線等)
12.地球化学分析法II:電気分析(pH計、pH等)
13.地球化学分析法III:分離分析(イオンクロマトグラフ法等)
14.地球化学分析法IV:放射能分析(α・γ線波高分析法等)
15.地球化学モデルIII:エアロゾルの滞留時間(逐次壊変、物質収支等)

【学習の方法】
・受講のあり方
積極的に発言してください。質問は皆が聞けるように授業中にするよう心がけてください。
・予習のあり方
機会があれば参考書として挙げた本を読んでみてください。新聞や雑誌の科学関連記事にはできるだけ目を通してください。
・復習のあり方
専門図書やインターネット情報等を利用して、より深く広い理解を目指してください。

【成績評価の方法】
・成績評価基準
出席と練習問題レポート(5回程度)によって行ないます。出席点を50点、レポートを50点とした100点満点で評価します。平成15年度以前の入学者においては、80点以上の得点を得た履修者を優、70点以上を良、60点以上を可、60点未満を不可と判定します。平成16年度以降の入学者においては、90点以上の得点を得た履修者をA、80点以上をB、70点以上をC、60点以上をD、60点未満をFと判定します
・方法
出席と練習問題レポート(5回程度)によって行ないます。

【テキスト】
指定しません。板書、OHP、プリントにより授業を進めます。

【参考書】
・日本分析化学会北海道支部編、「演習で学ぶ環境」、三共出版
・島原健三、水林久雄著、「わかりやすい化学計算」、三共出版

【その他】
・学生へのメッセージ
正確なデータがあってこそ、真の地球の姿を描き出すことができるものです。化学を駆使すれば、地球上の様々な物質や系の性格、年齢、ふところ具合などが見えてきます。質の良いデータの収集・解析に必要なソフトウェアを身につけて下さい。
・履修に当たっての留意点
授業中に計算問題を解きます。電卓(関数機能付きが望ましい)を持参して下さい。電卓を持っていない人は、携帯電話の計算機能を使っても構いません。
・担当教員の専門分野
地球化学、大気化学、極地雪氷化学

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