草木塔とは?

 草木塔(そうもくとう)とは、「草木塔」、「草木供養塔」、「草木供養経」、「山川草木悉皆成仏」などという碑文が刻まれている塔です。素材は石で、部分的に研磨するなどの手を加えたものもありますが、ほとんどが採石された状態のままの自然石です。国内に160基以上の存在が確認されていますが、建立されている地域は本州の一部に限局しております。さらに草木塔の約9割は山形県内に分布し、4つの地方に分かれる山形県内でも、特に、置賜地方と呼ばれる地域に集中して存在する独特な石造物文化遺産です。
  最も古い草木塔は、江戸時代中期の安永九年(1780)に山形県米沢市大字入田沢字塩地平に建立されたものです。現在のところ、江戸時代に建立された草木塔としては、34基が確認されておりますが、そのうち32基が山形県内に立てられています。


最古の草木塔

草木塔の建立

  小白川キャンパス人文学部棟南側に、草木塔の碑を建立したことを記念し、平成19年8月29日に除幕式を行いました。
 山形大学では法人化してから、大学の理念を「自然と人間の共生」としています。山形県置賜地区を中心に江戸時代から信仰された独自の文化である「草木供養塔」あるいは「草木塔」は自然を畏れ敬い、自然の恵みに感謝し、草木の命さえいとおしむもので、山形の風土文化を特徴づけるものです。この考えは徐々に全国に広がりつつあります。山形大学の教養教育課程においても、仙道富士郎前学長が自ら「草木塔の心」の講義や公開講演会を企画してきました。人文学部では平成18年の学科改組に際して、人間文化学科に共生人間学コースを設けました。
 今回の碑は、山形大学では松波キャンパスの附属中学校の庭の碑に次いで2つめの草木塔になります。碑文は「草木塔の心 自然と人間の共生」としており、「心」を付した碑文はおそらく全国でもはじめてであろうと思われます。

除幕式の様子

やまがた草木塔ネットワーク

  「やまがた草木塔ネットワーク」は、山形大学が、大学運営の基本理念として「自然と人間の共生」を掲げ、この理念を具体的な形で実行していくため、平成18年度に初めて設立されたものです。このネットワークが中心となって、草木塔の調査・研究やその他の成果の普及が進められてきました。 草木塔は、山形の置賜地方において江戸時代中期に初めて建立された石碑ですが、その後、明治・大正・昭和そして平成と多くの地域に建てられるようになり、現在に到っているものです。当時の草木塔を建立した人々の想いは様々でしょうが、3.11の大震災を被ったいま、それは自然について感じ、思うための一つのよすがともされるべきであろうと考えます。音楽家の坂本龍一氏が「森は私たち人間にとって生命の基となる酸素を産生するという意味合いでも、特別な存在であり、森林保護を目指さなければならない」と語っておられます。草や木の命を惜しんで建立された草木塔は、まさにこうした自然に対する畏敬の念を形として表わしたものと言えます。 そして平成24年度、新たに設立された「やまがた草木塔ネットワーク」の目的は、草木塔の歴史を知り、その精神を後世に伝えていくことで、大震災後の復興のなかに、この精神を宿しながら、自然を大事にした地域づくりが行われることを願わずにはいられません。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。(やまがた草木塔ネットワークwebサイト「理事長あいさつ」より)

【やまがた草木塔ネットワーク】