東北創生研究所とは

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東北地方有数の総合国立大学である山形大学は、持てる力を総動員して、東北の復興と新生のために貢献していく必要がる。このため、2012年1月1日付けで、大学本部直轄の組織として、「東北創生研究所」を設立。

東北創生研究所の設置目的

東北地方は全国に比べ人口減少率が大きく、高齢化率も増加傾向にあり、これに伴う限界集落の増加、中山間地城の衰退、医師不足、学校統廃合等々の諸問題のほか、種々の社会的基盤も非常に脆弱な状態にある。その結果、諸所で地域コミュニティの崩壊が加速し、雇用環境についても、有効求人倍率や一人当たり県民所得額が全国平均を下回り非常に厳しい状況にある。加えて、昨年3月11日に発生した東日本大震災により、このような東北地方の厳しい現状がもたらす社会的衰退をさらに加速する危険性が増大している。震災の直接的影響としては多大な人的被害、産業インフラの損失、膨大な復興費用などが間題となるが、さらに今後、被災地から他地域への労働人口の移動が地場産業の復興等を阻害し、それが、雇用の減少、地域の活力減退をもたらし、さらなる人口減少という「悪循環」を惹き起こす虞がある。さらに、この悪循廉は、被災地のみならず、東北地方全体へ影響を広げる可能性は否定できない。

有効な手立てを施すことなく、今後10年、このような状況を放置すると、20年、30年後には、回復不能な社会の崩壊に至る地域が急速に拡大し、山形県を含む東北地方全体の致命的な衰退を招くことは明らかである。仙台圏だけは、例外的に持ちこたえることが予想されているが、そのことが、東北地方における一極集中化を促進し、他の地域の衰退をより加速することになる。我々は、今、東北地方の将来の安定的な社会のあり方(定常社会の構築)について、真剣に検討を開始し、その成果を具体化するための方策を立て、実行に移さなければならない時点に居合わせている。

我が国全体の人口減少が始まった5年前のことであるが.東北地方は、その遙か以前、昭和40年代に人口減少傾向が顕著となり、近年、加速度的に人口が減少する兆しを色濃くしている。東北地方に限らず、他の多くの地方もまた同じ問題に直面している。地方におけるこのような人口減少とそれに伴う社会の縮小を惹き起こした大きな要因は、東京一極集中に象徴される、人材、物資、資金の集中により効率化を追求してきた経済システムを中核とする社会システムのあり方にある。この大都市圏集中型社会システムは、今回の大震災で、その脆弱さを露呈した。東京が大地震に襲われれば、政治、経済、のみならず文化も含め、我が国の社会システム全体が麻痺し、その結果如何によっては、我が国の社会システム全体の崩壊に至る虞すらある。

我々は、東北地方をはじめとする我が国の地方が直面している上記のような問題点を克服し、地域社会を再生し、人口減少状況下においてもなお持続可能な地域社会を実現するためには、自立分散型社会システムの構築が不可欠であると考えた。我々は、自立分散型社会システムとして、自己完結的な社会システムではなく、相互に依存しながらも、一定程度の自立性を有する地域社会が共存することが可能な社会システムの構築を目指す。 東北創生研究所の設立目的は、総合大学たる山形大学の英知を結集して、上記のような自立分散型社会システムの創生の可能性を検証することにより、人口減少社会における定常社会のあり方を探求することにある。