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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記4(6)」

 

 イギリスのTimes Higher Educationの作成する、世界大学ランキングの発表が9月21日にあり、山形大学は600―800位にランクインされました。公表されたのはトップ980校で、日本の上位3校は、東大39位、京大91位、東北大200―250位でした。山形大学がランクインしたのは初めてで、海外駐在担当としては、これほど喜ばしい事はありません。

  海外で学生達と話をしていると、彼らはスマート・フォンですぐに山形大学の世界ランクをチェックします。留学相談をしている時などは、世界ランクに入っているかどうかは大きな関心事です。今までは、ランクに山形大学の名がなかったので、こちらも格好がつきませんでした。もっとも、イギリスの格付けする大学ランキングですから、情報は英語で集め、判断基準も英語が基になっているので、日本には不利であることは予想されました。

  ランク付け要因の一部について、各大学に情報の提供依頼があり、その依頼書は英語でA4判30数ページもありました。日本語バージョンもあったのですが、誤解を生む曖昧な訳でした。日本の大学の順位は、直感的には不当に低いです。これは、日本の大学が、依頼に応えるだけの十分な情報提供が出来ていなくて、不利を被っている可能性を窺わせました。今回、山形大学は、情報提供期限の直前に、それを知った工学部の松葉豪先生が、八面六臂の活躍をされて、初のランクインを果たしたと伺っています。

  話は変わりますが、9月24日に帰国しました。ジョクジャカルタを出る前に、日本語クラスの学生達と、大学近くのレストランに行きました。そこで、思いがけない話を聞きました。インドネシアに限らず、東南アジアの主だった国々は、バイクが溢れています。ガジャマダ大学の学生も、ほぼ全員がバイクで通学しています。私は通勤を含めて、どこに行くにも、タクシーを利用しました。しかし、学生たちは、タクシー代は高いから、次回の私の滞在中は、レンタル・バイクを利用したほうが良いと言いだしました。

  インドネシアは国際自動車免許の協定に加盟していません。したがって、インドネシアでバイクに乗るためには、インドネシアの免許を取る必要があります。私は、インドネシア語を知りませんから、免許の取得は無理だと、学生達に言いました。すると、彼らは、免許を買えばよい、と言いました。

  インドネシアの免許試験はとても難しくて、ほとんど通らない、と彼らは言いました。だから買うのだといいます。この話を始めた学生は、試験に落ちて、金を払って買ったそうです。彼の隣に座っていた学生に聞くと、試験を受けずに、最初から買った、と言いました。バイクの免許は40万ルピア(3077円)で、自動車は60万ルピア(4615円)だそうです。

  その隣に座っていた女子学生は、免許自体を持っていないと言いました。免許を取る前にバイクを手に入れたので、そのまま乗っていると言い、たとえ無免許運転で警察に捕まっても、5万ルピア(385円)を払えばお咎めなしだ、と言いました。宿に戻り、インターネットで調べたところ、インドネシアのバイクの利用者で、免許を持っているのは約30%だという記述がありました。その取得法については、触れていませんでした。学生達に、インドネシアの問題点を聞くと、政府の腐敗と汚職だ、と異口同音に言いますけどね。

ガジャマダ大学構内の画像
ガジャマダ大学構内

ジョグジャカルタ市内の画像
ジョグジャカルタ市内