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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記5(2)」

 現在、ガジャマダ大学は、2016年度の後期セメスター試験後の長期休暇中です。休暇は6月12日に始まり、2017年度の前期セメスターの授業が始まる8月21日まで続きます。この間、8月7日には、2017年度の入学式があり、その後の2週間は新入生のための様々な行事が続きます。8月23日と24日は卒業式があります。卒業式はこの8月の2日間を含めて、11月、2月、5月の計4回あります。1学年の学生が1万人もいるので、一度に卒論指導できないことを理由に、成績の良い学生から、順次、卒業させていきます。この8月に卒業する学生の同期で最も早く卒業したのは去年の11月だったそうです。しかし、多くは、この8月から卒業が始まるそうです。4年生に、いつ卒業予定かと聞くと、皆はニヤッと笑って、「それが問題なのです」と言います。

 この長期休暇の過ごし方で、山形大学の学生と極めて異なるのが、3年生約1万人が全員参加する学生農村実習(KKN)です。今年の場合は、6月10日~8月4日までの約2カ月間、20人程度のグループに分かれ、赤道に沿って散らばるインドネシアの様々な島の農村に分散して、村の生活向上に寄与するボランティア活動を行います。

 今回の学生農村実習は、5月26日~6月24日まで続いた断食期間(ラマダン)と2週間重なっています。ラマダンの期間、モスレムの学生は、日中は飲食をしませんから、大変だろうなと想像しますが、誰に聞いても、慣れているから何ともない、と答えます。

 この農村学生実習には、日本の大学も数校参加していて、大学ごとに10人程度のグループが、ガジャマダ大生に混じって、1~2週間寝食を共にしています。山形大学もこの行事に誘われていますから、参加することを検討しても良いのではないでしょうか。

 山大提供日本語クラスは、午前と午後の2回開講していて、長期休暇中にもかかわらず、毎回25人程度が出席しています。午後のクラスは、13:30~15:00に開いていますが、ここに5人の高校生が常連として参加しています。高校は、現在授業が行われていて、学校が終わるのは14:00だそうで、彼らは14:30過ぎに駆けつけて来ます。とても熱心なので、当方も15:30頃までお付き合いをしています。クラスモットーは「誰でも、何時でも、何度でも」なので、臨機応変、融通無碍に、このモットーを実践しています。

 この高校生達にとって、日本語は全くの独学だそうで、日本のアニメに興味があるので勉強しているそうです。高校生の参加は今年に限ったことではなく、すでに難関ガジャマダ大学に入学して、改めてガジャマダ大生としてクラスに参加している学生も何人かいます。こういう若くて意欲的な学生達と接していると、語学は意欲さえあれば、若いほど伸びが速いなと、つくづくと思います。

 日本語クラスの会場は農学部にありますが、対象は全学の17学部の学生で、様々な学部の学生が参加しています。農学部の学生はむしろ少数派です。しかし、会場が農学部ですから、出会う教員の多くは農学部の教員です。その農学部の教員の中に、日本語クラスに在籍していた元学生が、今のところ4人います。卒業したはずの彼等に声を掛けられ、そのことを知りました。教員は、学部卒業時の席次が3番以内だと採用の対象になるそうです。

日本語クラス開講ポスターの画像
日本語クラス開講ポスター

午後の日本語クラスの画像
午後の日本語クラス