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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記5(3)」

 先週は滞在延長ビザを得るために、入国管理事務所に3回行ってきました。インドネシア滞在2週間までは、ビザは必要ありませんが、2週間を越すとビザが必要です。前もって、駐日本インドネシア大使館や領事館でビザを取得しておけば、インドネシアに来てから延長ビザを取りに行く必要はないのですが、インドネシアは入国の際に、空港で1ヶ月の滞在ビザを取得できるので、その利便性につられて入国し、その後の1ヶ月毎に延長ビザを取りに行く羽目になります。

 ジョクジャカルタの入国管理事務所は、街の東側にあるアディスチプト空港の近くにあり、ガジャマダ大学からタクシーで約30分かかります。5年前に初めて行った時には、ビザ申請から発行までは、朝7時半から午後2時過ぎまでの半日仕事でしたが、1回で済みました。2年目は2回行かなくてはならなくなり、3年目から、事務仕事が手作業からコンピューターの導入に伴い、3回行かなくてはならなくなりました。申請、写真撮影、受取、の3回です。いずれの回も半日仕事でした。見ていると、不可解なほど手順が悪く、待合室に溢れかえっている外国人同士で、不満や愚痴や呪いの言葉を交わしたものです。

 今年も時間を取られることを覚悟して行きました。やはり3回行く必要はありましたが、しかし、各回とも10分程度で済み、拍子抜けしました。待合室も閑散として、手順も良く、コンピューター導入の効果が出てきたようでした。

 5年前に初めてインドネシアに来た時、公的機関のかしこに、「賄賂は犯罪だ」という注意書きが張り出してありました。日本では、賄賂を払う習慣が無いので、私は、自分が暗黙裏に賄賂を要求されていることに気づかず、なぜ事態が進行しないのか、訳の分からない膨大な時間を過ごしました。しかし、知り合いが増え、その支援を受けるようになると、彼らが様々な過程で、こまめに金を払うことに気づきました。私のために随分の金を使っているようでした。それでも私は金を払う気にはなれず、とても心苦しかったです。

 しかし、昨年から、誰も、そのような金を払わなくなりました。今年も金を払う場面に出会っていません。「賄賂は犯罪だ」という警告が浸透して来たようです。社会が大きく変化しているようです。

 移動にはタクシーを利用しています。スマートフォンのアプリに行先を入れると、直ぐに応答してくれて、運転手名、星の数で示した運転手の評価表、車種、車のナンバー、待ち時間、そしてタクシー料金、が返ってきます。料金が前もって設定されているので、わざと遠回りしたり、渋滞に飛び込んで時間稼ぎをしたりのズルがなくなりました。スマートフォンの画面で、近づいてくるタクシーの動きが地図上に示されます。タクシーを降りるとすぐに、レシートと、運転手に対する評価査定表が送られてきます。タクシー料金は従来の3分の2以下になりました。常連客として割引も始まりました。とても便利です。日本ではタクシーをあまり利用しないのですが、日本でもこういうシステムなのでしょうか。

 山形大学サテライトオフィスのある街は、行くごとに、道が大きく拡張され、古い店が壊され、近代的なお店が増えています。ジョクジャカルタも様々な点で変化しています。

農学部本館玄関より学生食堂を望むの画像
農学部本館玄関より学生食堂を望む

タクシー呼び出しアプリの画像
タクシー呼び出しアプリ