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ラトビア大学駐在記5(6)

 11月14日に、山大提供日本語クラスの手巻き寿司パーティーをしました。参加者は、日本人6人とラトビア人20人の計26人でした。日本人は、私達と山大以外からの留学生です。会場は、日本語クラスを開いている経済学部から徒歩10分の、大学本館4階にあるコンピューティング学部の院生セミナー室でした。炊事施設があるので、今回を含めて5回ともここで開きました。

 パーティーは午後4時から2時間開きましたが、それに先立って、午後1時に近くのスーパーに集まって寿司の具材の買い出しがありました。それにはラトビア人が6人参加しました。このスーパーには、パック入りの握り寿司や海苔巻きも売っていて、寿司の具材は総て揃っていました。午後2時からは、参加者の多くが集まって、具材の調理と皿への盛り付けをしました。以前なら、壁に張り出した説明や絵を用いての解説が中心でしたが、最近は、皆が思い思いにスマホを見ながら、準備を進めていきます。

 毎年、会場を用意して下さるのは、コンピューティング学部のソルビータ先生で、40代後半の女性のグラフィックデザイナーです。元々は油絵画家だそうで、何度も、御主人と日本各地を旅行したという、日本通です。彼女が言うには、手巻き寿司パーティーの準備の調理時間が、日本語クラスの最も良い点だというのです。この2時間余りの時間に、参加者たちはお喋りを楽しみながら、協力し合い、手分けして調理をし、その後、賑やかにパーティーに突入していきます。

 ソルビータ先生の主張は、ラトビア人は本来、恥ずかしがり屋で内向的で、家族以外とはなかなか打ち解けないそうです。外国人との付き合いは、もっての外だそうです。確かに、ラトビア人に対する最初の印象は、無愛想で、なかなか馴染まず、学生同士もクラスで打ち解けることもなく、終われば、そそくさと、バラバラに帰って行きました。しかし、手巻き寿司パーティーを通して、参加者たちは、学年や、学部や、学校や、世代の違いを超えて仲良くなり、外国人である日本人とも、何の屈託もなく付き合い始め、クラスが終わった後にも、彼等は街でも付き合っている、というのです。今回の手巻き寿司パーティーも、午後6時過ぎに終わった後に、多くの参加者は7時頃まで残って、会場の跡片付けして、その後、日本人を交えて、ガヤガヤと会場を後にしました。

 翌日の午後2時半に始まった日本語クラスには、パーティーの跡片付けまで残っていた参加者は誰一人として出席しませんでした。パーティーを欠席した人と、帰宅を急いだ人だけが出席しました。クラスは5時半に終わり、5時半からは、チューターを変えて新たなクラスが始まります。このチューターは、日本人の留学生の女性ですが、いつもなら、クラスが始まる30分前にやってきて、クラスの準備をしています。しかし、この日は、いつもより50分遅くやってきました。彼女も、昨夜のパーティーに最後まで参加していました。

 2年前、山大生がラトビアに滞在中に、ある学生の日本への帰国パーティーがあり、街に繰り出した日本語クラスの参加者は、始発のバスや電車が動き出すまで、ビアホールで騒いでいたそうです。帰国当日、その山大生は起きられずに、予定の飛行機を乗り過ごしました。

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山大時代の思い出を話すエレナさん(奥で立つ青いシャツ)の画像
山大時代の思い出を話すエレナさん(奥で立つ青いシャツ)