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【お知らせ】

〜別れに寄せて、今昔の感〜   河野 芳春

 今年も卒業そして新学期と、慌ただしい節目を迎えました。大学を去りゆくためか、山形における時と空間のすべてが、無性に愛おしく感じられます。30年前の春に赴任した当時、駅舎は従前のたたずまいで、程なく新幹線の工事が始まりました。街並みは古風な民家に小路が多く、山際が見回せる大空のもとで踏み出した小さな一歩が、つい先日のように浮かびます。今は駅舎も豪華になり、市街地はオフィスビルにマンションが並び建ち、著しい車の増加に伴って拡幅された道路に大型駐車場が散在するようになりました。こうした鮮やかな変貌は、悠々と躍進を遂げた歳月の奥深さを心なしか物語っているようです。その長きに及んでリサイタル、室内オーケストラ、協奏曲の協演等、に加えて病院、施設等の訪問演奏と、県の内外にわたり有意な活動を続けることが叶い、これまで理想として止まなかった音の境地に、かろうじて辿り着いた感があります。この修練の賜物をさらに慈しみ、今後も音ひとすじに歩みゆく所存です。
 末筆ながら、言い尽くせぬお世話になりました大学関係者の皆々様に対して、篤く御礼を申し上げます。長々と本当にありがとうございました。


平成21年(2009年)9月18日 山形アカデミー室内合奏団 第31回定期演奏会(於:山形市中央公民館ホール)
P.ナルディーニのヴァイオリン協奏曲 ホ短調を演奏 (筆者 ステージ中央)