就業力GP

取組の概要

 山形大学では、学士課程カリキュラムの見直しを通じ、初年次教育を中心とした「基盤教育」を平成22年度から開始し、就業力の基礎となる全学生必修の「スタートアップセミナー(学習プランニング、キャリアプランニングの基礎を学ぶ)」や入学時導入教育として実施される課外体験活動としての「フレッシュマンキャンプ(友人作り、居場所作り、先輩の話を聞く、研究室訪問)」など独自の取組を実施してきました。
 さらに、山形大学は基本理念である「地域に根ざして世界をリードしていく」に基づいた地域及び国際社会との連携に積極的に取り組み、山形県の内外をフィールドにした教室外の教育・学習活動に力を入れてきました。とりわけ、県北東部の最上地域をキャンパスに見立てた「エリアキャンパスもがみ」では、地域との双方向的連携により地域の活性化、学生の課題探求能力育成を図っています。また、理学部SCITA(サイタ)センターでは、理科学習の普及活動を促進するため、小学生や中学生を対象にした体験学習会やサマースクールを実施しており、その広報・実施などに学生が取り組んでいます。

 

 

 これら以外にも数多く実施されている学外の力を借りた活動は、いずれも就業力の獲得につながる実学的教育であり、それぞれ特徴的な目的・専門性を持ち、成果をあげてきました。しかし、このような教室外での実学的教育の実践と正課教育のカリキュラムとの間には、関連性を調整し、体系化するという作業が行われていないため、教室内で修得した知識やスキルとの関係が明確ではありません。したがって、学生にとって、このような学外連携学習活動が、学生生活のハイライトとして鮮明に記憶に残っているにも関わらず、その活動が自らの就業力のどの部分の育成に役立ったのかが分からず、結果的に、就職活動などの場面での自己アピールなどに結びついていません。
 そこで山形大学では、教室外での実学的教育を「学外連携学習」と位置付け、そこでの体験を通し、学生が大学卒業後に必要になるどのような能力を身につけられるのかを、学生に対しても社会に対しても客観的に提示できるシステムを開発することとしました。なお、本取組では、就業力を「大学で修得した知識・スキルを実社会、とりわけ業務と結びつけて行動できる能力」と定義し、コンピテンシを単なるスキルでも個人の資質でもなく、「職業人としてすぐれた行動を生み出す要因(差別化要因)」という意味で用い、就業力の体系化と可視化を目指します。


本取組の達成目標

 中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23年1月)では、社会における産業構造や就業構造の変化、若者における職業意識・目的意識の希薄さなどから、キャリア形成上の困難が社会の構造的問題として指摘されています。そのような状況の中で、学校教育は社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てるために重要な役割を果たすものであり、キャリア教育・職業教育に関する指導の充実が各方面から求められています。
 本取組では、平成23年4月から大学が求められるキャリアガイダンスの制度化に合わせ、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むため、就業力の観点からカリキュラムを整理・分析し、社会から求められる能力・資質を育成する新規学習プログラムを開発します。また、就業力コミュニティサイトを構築し、学生の就業力育成における認知を促進し、学習の継続を支援していきます。
 以下に本取組の具体的な達成目標を記します。


1)学外連携学習のPBLとしての体系化とコンピテンシ取りまとめ
 学生が実際に学外連携学習選択の際に参考にすることができるレベルでの体系化と、特別な努力をせずとも理解できるコンピテンシ表示の実現を目指します。

 

2)学外連携学習によって向上する就業能力の明示
学外連携学習が参加学生に与える効果を、経済産業省の「社会人基礎力」や、厚生労働省の「若年者就業基礎力」など就業能力を表すために用いられる各種能力との対応が判別できる形で表示することを目標とします。これによって、学生がエントリーシート記入や就職面接において学外連携学習の成果を適切にアピールできるようにします。

 

3)就業力育成カリキュラムの体系化と新規学習プログラムの開発
 同一キャンパスに位置し、いずれも学部内に複数のディシプリンが存在する人文学部、地域教育文化学部、理学部を対象にして、就業力育成の観点から開設科目を体系化します。本取組では特に2年次、3年次前期に参加できる学習プログラムを企画・実施します。また、新規に実施するプログラムは、いわゆる講義型の授業にはせず、アクティブラーニングとして実践的な内容を含むこととし、グループワークや学外連携学習を活用する設計とします。

 

4)就業力コミュニティサイトの構築
最低限次の4つの機能を備えたサイトを作成します。
 ・学外連携学習活動関連情報提示機能
  (ここには、デジタルコンテンツ、PBLプログラムとしての情報、過去の活動で獲得された就業力が含まれます)
 ・学外連携学習活動参加者を対象にしたアンケート機能
 ・同参加者の就業力表示機能
 ・同参加者のコミュニティ形成機能

 

5)卒業生および企業が参加したPDCAサイクルの確立
 学外連携学習に参加した卒業生およびそれら卒業生を受け入れた企業の協力を得て評価・改善活動のサイクルを確立します。

 


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