○山形大学における教員の個人評価

平成17年12月1日

目次

前書き

教員の個人評価指針

教員個人評価調査票

教員個人評価調査票作成時に参考となる活動と根拠資料

評価書式例

前書き

全ての大学は認証評価機関による機関別認証評価を7年に1度受けることが学校教育法第69条の3に明記されている。また国立大学法人は国立大学法人法に基づいて中期目標に対する評価を国立大学法人評価委員会から6年ごとに受ける。これらの評価では公表された評価基準によって,根拠資料による客観的評価が行われ,評価結果も公表されることが基本となる。

更に全ての大学は自己評価を行い,結果を公表することも学校教育法第69条の3で義務付けられている。この自己評価の対象として組織と個人の両方が考えられる。個人の業績の集合として組織業績であるために,組織評価と個人評価は表裏一体で密接に関連しているからである。本指針では個人評価の基準を示す。この自己評価においても客観的評価基準と評価結果を公表できるものでなければならない。

山形大学は第1期中期目標の「教職員の人事の適正化に関する目標」の所で「教員の教育・研究活動を適切に評価する体制を整備し,教員の能力や業績が適正に反映される給与制度を検討する」としている。それに対応する中期計画では「人事評価は,部局が行うことを基本とする」「人事評価のために,各学部における教員の多様な教育研究活動に対応した多面的かつ公正な評価体制の構築と評価基準の策定を行う」「評価の結果を教職員の昇進・昇格に反映させるとともに,本人の能力評価や業績評価が給与に適正に反映される制度について具体化を図る」という3つの項目を発表している。ここで提案する個人評価指針はこの中期目標・中期計画との整合性がなければならない。

評価は客観的であるべきであるが,そのために点検項目が増えて評価の負担が重くなり,本来の諸活動の障害になるのでは本末転倒である。評価基準を定めるにあたっては客観性と作業負担とのバランスについて配慮し,点検評価作業の負担をできるだけ軽減するように工夫すべきである。法人評価,認証評価との根拠資料の共通化,点検項目の精選などが求められる。これまで認知されていなかった活動で正規の評価項目に入れるべきものが残っている可能性はある。ここで提案する基準はその客観性と公正さが,まだ検証されたものではない。今後の運用によって改善すべき点に気づけば率直に,十分時間をかけて改訂し,よりよい基準を構築していかなければならない。

教員の個人評価指針

第1 評価の目的

教員の個人評価は,教員の自由な発想に基づいた教育研究をはじめとする教員の諸活動の目標設定を支援し,その成果を点検・評価することによって活動の活性化に役立て,本学全体の機能の改善,高度化に資することを目的とする。

第2 評価の対象

1 個人評価の対象とする教員は,山形大学(以下「本学」という。)の教授,准教授,専任の講師,助教及び助手とする。ただし,評価実施時において,学外出向,休職,停職,育児休業,介護休業及び海外渡航期間中の教員並びに評価対象期間において,勤務実績が6か月未満の教員は除くものとする。

2 個人評価の実施部局及び部局長(第3第1項の部局長をいう。以下同じ。)は,別表のとおりとする。

第3 評価の実施組織

1 部局に,個人評価の検討及び実施を行うための組織(以下「部局の評価組織」という。)を置き,その運営については,当該部局長が定める。

2 部局の評価組織には,他部局の主担当教員又は学外の学識経験を有する者を加えることができる。

第4 評価期間

1 評価期間は,部局長が定める期間とする。なお,年度途中に採用された教員は,採用の日からとする。

2 教員は「教員個人評価調査票(目標)」(様式1)を部局長が定める期間について作成し,所定の期日までに部局長に提出するものとする。

3 教員は評価のための資料として,諸活動状況を示す「教員個人評価調査票(目標に対する成果)」(様式2)を部局長が定める期間について作成し,所定の期日までに部局長に提出するものとする。

4 評価は,原則として3年に1度,「教員個人評価調査票(項目別自己点検)」(様式3)に基づき部局長が定める様式により過去3年分(ただし,研究活動は過去6年分)について行う。ただし,医学部においては個人ごとの任期満了前に行う。

5 年俸制適用教員の評価については,部局の定める評価期間にかかわらず,毎年度実施する。

6 部局長は,個人評価実施年度以外の年度においても,必要に応じ,活動の一部を評価し,教員に対し指導助言を行うことができる。

第5 評価領域と評価項目

1 個人評価は,教員の活動を「教育」,「研究」,「社会連携」,「管理運営」の4領域に分類して,それぞれの領域について行う。ただし,医学部臨床部門においては「診療」を加えた5領域とする。

2 各領域に全学共通の評価項目を定める。ただし,部局長は,部局の実態に応じ,項目の追加・削除を行うことができる。

第6 評価の方法

1 部局長は,本学の目標及び評価指針に定める目的に沿い,各部局の目標,専門分野の特殊性などを考慮し,個人評価に係る評価基準を定めるものとする。部局の評価基準は,本基準に対して評価項目の追加・削除,各領域の重みに対する部局標準値,領域ごとの評価基準を含むものとする。

2 部局の評価組織は,提出された教員個人評価調査票を基に評価を行い,所定の期日までに部局長に報告する。

3 第5に定める各領域の評価の段階及び総合評価の段階については,次のとおりとするが,これらを基本とした部局独自の方法により評価を行うことを妨げない。

(1) 各領域の評価

(ア) 部局の評価組織は,部局ごとに定めた評価基準に基づき,各領域それぞれで,次の5段階に評価する。

領域ごとの評価(評点及び標語)

評点

標語

5

特に優れている

4

水準を上回っている

3

水準に達している

2

やや問題があり改善の余地がある

1

問題があり改善を要する

(イ) 部局長は,教員の職種,職務の特殊性,専門性等の状況及び当該教員の申告を考慮して各領域の評価に加える重みを,全領域の合計が「1」となるように,決定する。教員は,その職務の実態等に応じ,各領域の評価に加える重みについて許容増減幅の範囲内で増減させて申告することができる。

(標準的重み例)

領域

臨床部門以外

臨床部門

許容増減幅

教育

0.4

0.3

0.2

研究

0.4

0.3

0.2

社会連携

0.1

0.1

0.1

管理運営

0.1

0.1

0.1

診療


0.2

0.1

(2) 総合評価

部局の評価組織は,各領域の評点に当該領域の評価に加える重みを乗じ,総合評価の評点を算出し,次の4段階で総合評価を行う。ただし,教員個人評価調査票を提出しない教員についてはその理由を明らかにする。

総合評価(評点及び標語)

評点

標語

4以上

優れている

3以上4未満

おおむね適切

2以上3未満

やや問題があり改善の余地がある

2未満

問題があり改善を要する

4 部局長は,評価結果を被評価者に通知する。

5 教員は,自己の評価結果に関し意見があるときは,部局長に申し出ることができる。

6 部局長は,部局における評価結果を学長に報告する。

7 学長は,評価結果について必要と認めるときは,報告を受けて2月以内に,部局長に対し,理由を付して再評価を求めることができる。この場合において,部局長は,再評価を行い,再評価を求められた日から1月以内に学長に報告するとともに被評価者に通知する。

第7 評価結果の利用

1 教員は自己点検・評価結果を自己の活動の充実に活用する。

2 学長及び部局長は,個人評価結果を取りまとめ,本学及び部局の教育,研究,社会連携及び管理運営(医学部臨床部門においては,診療も含む。)の改善に役立てるとともに,高い評価を受けた教員に対しては,その活動の一層の向上を促すため,適切な措置を取るものとする。

3 部局長は,総合評価において「問題があり改善を要する」と評価された教員に対し,活動の改善について,適切な指導及び助言を行うものとする。

4 総合評価において「問題があり改善を要する」と評価された教員(特別な理由がなく教員個人評価調査票の未提出者を含む。)は,次の評価期間における活動改善計画書を部局長に提出するものとする。

第8 評価結果の公表等

1 個人評価結果について,全学及び部局で集計した統計的データを公表する。

2 教員個々の評価結果及び活動改善計画書は,本人以外には公表しない。

3 学長,理事及び監事は,必要に応じて教員個人評価調査票を閲覧することができる。

附 則

1 この指針は,平成18年1月1日から施行する。

2 この指針に基づく個人評価の試行として,平成18年3月31日までに「教員個人評価調査票(目標)」,「教員個人評価調査票(目標に対する成果)」及び「教員個人評価調査票(項目別自己点検)」を作成し,必要に応じて評価方法等の見直しを行うものとする。

3 この指針に基づき最初に行う個人評価は,平成18年度からとし,最初の個人評価実施後においては,実施状況を評価し,所要の見直しを行うものとする。

附 則

この指針は,平成23年4月1日から施行する。

附 則

この指針は,平成23年6月8日から施行する。

附 則

この指針は,平成24年4月1日から施行する。

附 則

この指針は,平成25年3月1日から施行する。

附 則

この指針は,平成25年7月10日から施行する。

附 則

この指針は,平成26年4月1日から施行する。

附 則(平成27年4月1日)

この指針は,平成27年4月1日から施行する

附 則(平成28年4月1日)

この指針は,平成28年4月1日から施行する。

別表

区分

部局

個人評価の対象となる教員

部局長

学部

人文学部

人文学部主担当教員

人文学部長

地域教育文化学部

地域教育文化学部主担当教員

地域教育文化学部長

理学部

理学部主担当教員

理学部長

医学部

医学部主担当教員

医学部長

工学部

工学部主担当教員

工学部長

農学部

農学部主担当教員

農学部長

大学院

医学系研究科

医学系研究科主担当教員

医学部長

理工学研究科

理工学研究科主担当教員

工学部長

有機材料システム研究科

有機材料システム研究科主担当教員

有機材料システム研究科長

教育実践研究科

教育実践研究科主担当教員

地域教育文化学部長

附属病院

医学部附属病院

医学部附属病院主担当教員

医学部長

基盤教育院

基盤教育院

基盤教育院主担当教員

基盤教育院長

保健管理センター

保健管理センター

保健管理センター主担当教員

学長

小白川キャンパス

小白川キャンパス

小白川キャンパス主担当教員

小白川キャンパス長

その他

企画部

企画部主担当教員

学長

教育・学生支援部

教育・学生支援部主担当教員

エンロールメント・マネジメント部

エンロールメント・マネジメント部主担当教員

男女共同参画推進室

男女共同参画推進室主担当教員

有機材料システム研究推進本部

有機材料システム研究推進本部主担当教員

東北創生研究所

東北創生研究所主担当教員

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別紙

教員個人評価調査票作成時に参考となる活動と根拠資料

準備することが望ましい根拠資料

評価の負担を配慮してこの個人評価の根拠資料の提出は求めないが,根拠資料に基づいた客観的な自己点検を行うべきである。別に行われる法人評価,認証評価で求められる根拠資料にもなることが望ましい。また,理学部及び工学部が参加しているJABEE(日本技術者教育認定機構)の評価に必要な資料も統一的に集積することができればより望ましい。

領域・項目に関連する事項

1 教育の領域

シラバス

学生による授業評価アンケート結果

ただし,現行の授業評価は教員の業績評価ではなく,授業改善の目的に限定していることを確認する必要がある。

授業ごとの教育活動に係る資料

教育活動の名称

対象学生数

(1) 履修登録者人数,最終受験者人数,単位取得者数

(2) 演習問題・・・出題回数(  )回

(3) レポート課題・・・提出回数(  )回

ゼミや研究室における教育対象学生数(留学生を含む)

学部:  修士:  博士:

入試問題作成

重い負担になっている場合

教育活動による受賞    賞の名称:

2 研究の領域

集計の方法や評価基準については,部局ごと,あるいは専攻ごとの単位で,研究分野の特殊性が十分に考慮されるべきである。

(1) 研究発表(文献)

査読のある論文(総説を除く。)

全著者名,論文題名,掲載雑誌名,巻(号),最初と最後のページ,発表年

総説論文

全著者名,論文題名,掲載雑誌名,巻(号),最初と最後のページ,発表年

著書

全著者名,著者名,分担/単独の別,担当部分題名及び最初と最後のページ(分担の場合),著書名,編集者名(分担の場合),出版社名,発表年

翻訳

全訳者名,著者名,分担/単独の別,担当部分訳題名及び最初と最後のページ(分担の場合),訳書名,原著者名,原書名,出版社名,発表年

辞書・辞典の編纂・編集

編纂・編集者名,書名,出版社名,発表年

学術雑誌の編集委員

学術雑誌名,委員長/委員の別

論文の査読

学術雑誌名,件名

(2) 研究発表(口頭,ポスター)

学会発表(一般演題)

全発表者名,演題名,学会名,発表都市名,発表年

シンポジウム発表,特別講演,招待講演(ワークショップ,パネルディスカッション等を含む。)

全発表者名,演題名,シンポジウム名,開催都市名,発表年

その他の講演会・研究集会

全発表者名,演題名,集会名,開催都市名,発表年

学会・研究会主催・共催

役割(大会長/プログラム委員長など),学会名,開催年月日

シンポジウム(研究集会)のオーガナイザー・座長

集会名,開催年月日

(3) 芸術・建築・体育系分野の業績

展覧会・演奏会・スポーツ大会への出典・出場

会の名称,開催場所,参加年月日,規模,入賞等

建築設計計画・作成

名称,その他のデータ

芸術作品の公表

公表の形態,媒体などのデータ

文化財建物等の修復

名称,その他のデータ

(4) その他研究に係わる業績

報道機関を通じての発表

テレビ/ラジオ/新聞等の種類別,会社等名,番組等名及び内容,報道年月日及び時間

取得特許

特許名,番号,年月日

学会賞等受賞

団体(学会)名,題目,受賞年月日

(5) 外部研究費の導入

科学研究費補助金

研究種目,課題名,新規/継続の別,金額,代表者/分担者の別,期間,省庁名

受託研究

受入れの名称・機関等,新規/継続の別,金額,代表/共同の別,研究の期間

共同研究

受入れの名称・機関等,新規/継続の別,金額,代表/共同の別,研究の期間

奨学寄附金

受入れの名称・機関等,新規/継続の別,金額,代表/共同の別,期間

(6) 所属部局外の組織との共同研究

相手方組織の名称,研究題目等,研究テーマにおける役割(代表者/分担者の別)

3 社会連携の領域

(1) 生涯学習支援等への貢献

公開講座,講演等

講座等名,講義題名,主催者,対象者,参加人数,年月日,開催地

大学,学部,学科紹介パンフレット等の作成への参加の有無

高校生を対象とした学部体験入学等への参加の有無

その他,生涯学習支援等に貢献した事項

(2) 学外の審議会,委員会への参画

審議会,委員会等の実績

審議会,委員会等の名称,役職,年間開催回数

国家試験委員会等の実績

委員会等の名称

上記以外の公的社会活動の実績

団体,機関等の名称,活動の内容

他大学などの評価委員,各種プロジェクト研究費の審査委員

団体,機関等の名称,活動の内容

(3) 学外の各種調査,研究会等への参画

調査,研究会等の実績

調査,研究会等の名称,役職,年間開催回数

上記以外の公的社会活動の実績

団体,機関等の名称,活動の内容

(4) 病院等における診療活動及び医療支援

診療従事時間

高度先進医療等の実績

治験の実績

自己臨床研究の実績

(5) 教育臨床

認定講習会等の実績

附属校園の研究活動及び教育研究会等の指導助言

一般校園の研究活動及び教育研究会等の指導助言

一般校園等でのカウンセリング活動

(6) 国際貢献

国際協力事業   件

相手方国名,プロジェクト名,期間,活動国名,役割,相手方機関等の名称

外国人研究者の受入れ数    人

外国人訪問者の数    人

外国人留学生数,外国人研修生数等

(7) 産業支援

技術支援,コンサルテーションの状況    件

相手企業名,テーマ,支援に要した総時間数をリストアップする。

新技術の実用化     件

相手方企業名,新技術の名称,製品,商品に対する貢献度合,実用化に要した総時間をリストアップする。

(8) 他大学等における教育支援(非常勤講師を除く。)

特別講義など(大学等名)

(9) その他

研究成果の公開(データベース)

マスコミ取材(テレビ・新聞等)

4 管理運営の領域

(1) 部局長等

学部長,研究科長,附属図書館長,医学部附属病院長,教育研究評議員,センター長などの役職による貢献

職名,任期,貢献の実績を具体的に明示

(2) 全学的委員会,専門委員会,ワーキンググループ等

全学的委員会,専門委員会,ワーキンググループ等の委員などの役職による貢献

委員会等の名称,役職(委員長,委員,座長等),任期,貢献の実績を具体的に明示

その他の全学的な管理運営への貢献

貢献の実績を項目と役割(責任者等)を含めて具体的に記述

(3) 所属部局における管理運営

所属部局における委員会,専門委員会,ワーキンググループ等の委員などの役職による貢献

委員会等の名称,役職(委員長,委員,座長,世話人等),任期,貢献の実績を具体的に明示

所属部局におけるその他の管理運営への貢献

貢献の実績を項目と役割(責任者等)を含めて具体的に記述

(4) 所属講座(分野)等における管理運営

所属講座(分野)における係,委員等

貢献の実績を項目と役割(責任者等)を含めて具体的に記述

所属講座(分野)におけるその他の管理運営の実績

その他で負担と貢献が顕著なものを具体的に記述

その他

5 診療の領域

(1) 外来担当単位

外来担当単位

担当診療科,担当期間,担当曜日,担当時間数,週平均担当時間数,年平均担当時間数,年間総時間数

(2) 外来診察患者数

外来診察患者数

週平均外来診察患者数,年平均外来診察患者数,年間総外来診察患者数

(3) 入院受持ち患者数

入院受持ち患者数

月平均入院受持ち患者数,年平均入院受持ち患者数,年間総入院受持ち患者数

(4) 診察に費やす時間

診察に費やす時間

外来患者及び入院患者に対して費やす週平均時間数,年平均時間数,年間総時間数

(5) 手術,検査等に費やす時間

手術,検査等に費やす時間

手術,検査等に費やす週平均時間数,年平均時間数,年間総時間数

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山形大学における教員の個人評価

平成17年12月1日 種別なし

(平成28年4月1日施行)

体系情報
全学規則/
沿革情報
平成17年12月1日 種別なし
平成27年4月1日 種別なし
平成28年4月1日 種別なし