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校長室だより

各学年の体験学習・宿泊学習の学びに期待すること

全校朝会 7月22日 校長講話

今月は各学年で体験学習がありました。全学年ともほぼ予定どおり実施できました。大変うれしく思っています。既に、各学年でそれぞれの学習の振り返りは終えていると思います。みなさん一人一人がどんな振り返りをして、そこから何を学んだのでしょうか。どんな課題を見つけ、今の学校生活に活かしているでしょうか。

1・2年生は、2年生の計画したなかよし登山でした。2年生は、1年生が初めての千歳山に登れるように、下見の登山をしたり、計画を立てたりしていい準備をしてくれました。本番の登山の際も1年生にいろいろと気を遣ってくれたので、1・2年生225人が、なかよく、全員がしっかり登れました。1年生は初めて千歳山に登ることができてよかったね。2年生の準備と配慮のおかげです。よくやってくれました。

3年生は、隣の宮城県まで出かけての丸1日の学習でした。遊覧船から松島を見学をしたり、水族館でめずらしい魚を見たり、科学館でおもちゃ作りをしたりと、楽しく学習ができたと聞いています。122人という大勢で行動するのですから、班で協力して、見学のルールやマナー、活動時間などを、自分たちで考えて守って行動できた成果だと思います。

4年生は、少年自然の家での1泊2日の宿泊学習でした。自分たちで食事の用意をする、自分たちの寝るテントを自分たちで立てるなど、それこそ自然の中で自分たちの生活を自分たちでつくるということに、苦労も多かったけれど、一人一人がしっかり取り組めたと聞いています。班の中での協力も、これまでの学校生活以上に必要だったと思います。

5年生は、飯豊少年自然の家での2泊3日の宿泊学習でした。2泊ともテント泊で、2日目には葉山登山がありました。曇ったり、晴れたり、雨が降ったりと天気もさまざまに変化するという大変厳しい条件の中で、ひのきの122人が、誰も大きなけがなどすることなく元気で生活をつくることができました。まさに一人一人が「自立と協力」というテーマを具体的に実践した成果です。

6年生は、東京方面への2泊3日の修学旅行でした。江戸東京博物館、国立科学館、浅草の寄席、仲見世、日光東照宮での研修、立派なホテルと旅館での宿泊、そしてみんなが「シンバ」になった「ライオンキング」と、本当に中身の濃い研修の連続でした。マナー、ルール、時間というものを常に意識しながら、互いに声をかけあい、判断し活動できていました。楽しくて羽目をはずしてしまう場面も少しありましたが。

私は、今回の体験学習をこれからの学習に活かすということを考えたとき、どの学年にも共通して、これからの学校生活で大事にしてほしいことが3つあります。

1つめは、学年全体での活動といっても、基本は一人一人の行動の在り方になるということです。一人一人が学習のねらいを理解し、自分のすべきことをわかる。そして準備し、それで初めて当日活動できるということです。学校の外での体験学習や長い時間生活をともにする宿泊学習だからこそ、自分で次の活動を考えて、今、何が必要かを考え、自分から行動することが必要となります。3年生は丸1日に、4年生は宿泊を含めての2日間にと昨年よりも活動時間が長くなったので、そういう場面がたくさんあったはずです。

2つめは、1つの学年100名以上での集団での学習だからこそ、友だちのことも考えなければならないということです。自分のことをしっかりやった上で、班の友だちのことにまで気を配るということは大変なことです。なかよし登山では、1年生が言うことを聞いてくれないと思った2年生もいたのではないでしょうか。でも周りの人やものに気を遣いながら一緒に学習する、生活するということは、私たち人間が社会の中で生きていくときに、とても大事なことなのです。

3つめは、今回の学習でより明らかになった課題や、大変だ、つらい、泣きたいと感じたことに、日々の生活で目を背けることなく、向き合ってほしいということです。私は、課題を乗り越えていくことと同じくらい、自分の感情と向き合いながら、受けとめながら、取り組んでいくことが大事だと思っています。特に、5年生や6年生の高学年のみなさんには、さまざまな場面で自分と向き合ったとき、また、友だちと一緒により良い生活を築こうするときなどにそうしてほしいと願っています。「ひのき」と「ねむのき」のみなさんなら、大丈夫、できます。

最後に、あさって24日から夏休みです。休み中は、学習の場が家庭や地域社会になりますが、同じことです。今、話した3つのことを大事にして、一人一人がさらに成長できたと言える夏休みになるよう期待しています。