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校長室だより

平成29年度
全校朝会 おもいやり

平成29年6月29日 校長 佐藤昌彦

みのり遠足で 見つけてきたすてきな姿を紹介します。
オリーブ学年の班長さんが、歩いている時も、遊んでいる時も、お弁当の時も、「みんな、楽しくできているかな」「楽しく過ごせているかな」と班のみんなを見つめていました。
班長さんの仕事って「思いやり」が大切なんだなぁと感じました。

そこで、今日は、みなさんと「思いやり」について考えてみたいと思います。「思いやり」とは、「思い(気持ち)」を相手に「やる(向ける)」ことという意味で、相手の気持ちを感じて・想像して、相手がうれしいことや助かることをすることだそうです。
みのり班では、班長さんが、班のみんなの気持ちを考えて、どうしたら仲良く楽しく活動できるか、真剣に考えあんなにすてきな遠足にしてくれました。

さて、みんなも、「Aさんは どう思っているのかなぁ?」 とか
「お母さんの気持ちは、どんななんだろう?」みたいに人の気持ちを想像してみたことは、ありますよね。
その人の言っていることを注意して聞いたり、その人の表情をよく見たり、自分が似た経験をしたときの気持ちを思い出したりすることで、相手の気持ちが見えてきます。
 じゃあ ちょっと試してみましょう。黙って 担任の先生を見てみてください。よく見て、担任の先生は、今何を考えているのか、どんな気持ちでいるのか想像してみてください。
 どうでした、何か感じることは できましたか?
「照れくさいなあ」って思っていたかなぁ?
「困ったなぁ どんな顔しよう」って考えていた?
それとも、「みんなに見られてうれしい」って思っているみたいだった?
こんな風に、人の気持ちを想像してみる・考えてみることが、思いやりの第一歩です。

では、問題です。
「追いかけっこしていたら 逃げていた友だちが 転んでひざをすりむいてしまいました。そこで一言。」
さて、 次の三つのうち、思いやりにつながりそうなのは、どれでしょう。
① うわぁ 血が出てる。
② ぼくは、押してないよ。
③ いたいよね。

①は、見たことを話しています。 ②は、自分のことを話しています。③は、相手の気持ちになって考えています。
だから、③が、思いやりの 第1歩になりそうです。

こんな風に、相手の気持ちや 立場になって考えることができたら、次は「思いやり」の2段階目です。
2段階目は、相手の気持ちに寄り添って「うれしいこと」「助かること」をすることです。

さっきの 転んだ友だちで考えてみると
「痛くて 歩くの大変そうだなぁ・・・」って感じたら、肩を貸してあげる。
「痛くて 動けないんだ。つらいだろうな。」って思ったら、「急いで 先生呼んでくるね」と言って 先生を呼びに行く、これが第2段階です。

どうですか できそうですか?

さて、先生が 今日この話をしようと思ったのには、もう一つの理由があるんだす。
 この前まで、みんなの教室のドアが外されていて、隣の教室の声とか、聞こえてきていたでしょ。そんなとき、ある教室に近づいたら、随分賑やかなんです。廊下まで、ワイワイと話し声が聞こえてきます。のぞいてみたら、グループに分かれて一生懸命に話し合いをしていました。
そんな中である男の子が、「ねぇ ぼくらの声がうるさくて 隣の教室困ってるかもよ。もう少し 静かにしよう。」って言ったんです。そしたら、教室からもれてくる声が小さくなりました。
 これって 思いやりですよね。この男の子って、すごいと思いませんか。壁で見えない隣の教室の人たちの気持ちを考えて、その人のためになることをちゃんとできたのですから。
 また、別の教室に行った時のことです。ある子が 自分の考えを発表していました。でも、その子の声は とっても小さい声だったんです。そうしたら「もっと大きい声で話してください」って誰かが声をかけました。そしたら、その子の声は、もっと小さくなりました。さらに「聞こえません!」っていう友だちの声。どんどん声は小さくなっていきます。そんなときです。ある女の子が「ちゃんと聞きたいから もう一度言って お願いします。みんな静かに聞こう。」と言い、ちゃんと聞くからねというふうに耳に手を当てました。教室は一瞬シーンとなり、何人かの子がまねをして、耳に手を当てて「聞いてますよ」のサインを出しました。

きっと 「みんな 聞こう」と言った女の子は、小さな声で話している友だちの、「困ったな」「泣きたくなってきちゃった」っていう 気持ちを感じとることができたのではないでしょうか。だから、「応援しなくちゃ」と思ったんではないでしょうか。すてきだなぁ、思いやりがあるなぁと、先生までうれしくなりました。

こんな すてきな出来事が 学校の中では、きっとたくさん起きているんだと思います。それを、もっともっと増やしていきたいなぁと思いました。

人の気持ちや 心を考えてみること、そして 相手がうれしいこと助かることをしてみる「思いやり」

今日は、2年生が、『なかよし登山』の下見に行くそうです。
「どうすれば 1年生は 楽しく登れるかなぁ」と、1年生の気持ちを考えながら、計画を立てるんだと思います。これも 「思いやり」ですよね

附小の四つの誓い 「一日一善」にもつながると思います。是非、挑戦してみてください。