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校長室だより

平成29年度 後期始業式

平成29年10月10日 校長 佐藤昌彦

平成29年度 後期始業式。
1年の後半のスタートの日です。 今年は、一人一人に目標をカードに書いて持ってきてもらいました。後で、それぞれの目標をみのり班の仲間と紹介し合ってもらいます。

そこで今日は、「目標」と関係のあるお話をしたいと思います。
 今日のお話は、人の姿をお手本にして、目標を考えるということについてです。

考えてみてください。
 「なりたい自分」と「いい人」って、同じでしょうか ? 

例えば、「落ちているごみを拾ってゴミ箱に捨てた人」
この人は、「いい人」 ですよね。

もし、ごみを拾った理由が「みんなにほめてほしいから」「人が見てたから」だったとしても、「いいことをした人」には、間違いないよね。ちゃんとゴミを拾って、ゴミ箱に捨てたんですから。

でも、自分がなりたい人か、こういう人に私もなりたい、って思うかというと、ちょっと違うような気がします。

ごみを 拾った理由が「ゴミが落ちているのは 気持ち悪いから」「ゴミが落ちてない方が気持ちいいから」だったとしたら、素直に「こういう人になれたらいいなぁ」って思えそうです。

目標を考えるとき、「○○ができるようになる」と することだけで考えるのではなく、「どんな気持ちで、どうしてそうしたいのか」その理由もちゃんと考えることが大切なのかもしれません。

もう一つ、先生の体験をお話しします。
私が、初めて先生になった時、わからないことがたくさん有ったけれど、あこがれの先輩。「こんな先生になりたい」っていう先生と出会って、その人を目標に頑張ることにしました。その先生が、朝の会で学級の歌を歌うと、先生のクラスも朝の会で、学級の歌を歌いました。その先生が休み時間にグランドでサッカーしていると、先生もサッカーをしてみました。一生懸命に、まねしてみました。
でも ある時、どんなにまねしても、私は「その先生」にはなれない。私は「私だから」、他の人には、ならないんだって気がつきました。それからは、その先輩先生をそのまままねするのではなく、自分用にアレンジ・変化させて取り入れることにしました。

これと似た経験は、みんなにもあるんではないでしょうか。
例えば サッカーが大好きで、 毎日、サッカーの練習を、楽しそうに 一生懸命 頑張っているA君。それを見たBさんは、A君のいいところとして、 「A君は、サッカーを頑張っているのが すごいと思う」と感じていました。

でも、Bさんは、サッカーには、全然興味がありませんでした。だから、「A君みたいにサッカーを頑張る人になりたい」という訳ではなく、自分の目標とは関係ないと思っていました。

でも、ちょっと 待ってください。本当は、そうじゃないのかもしれません。
サッカーに興味のないBさん、「なりたい自分」と「サッカーを頑張るA君」は、全然つながらないのに、どうして「いいなぁ」と思ったのでしょう。

それは、 きっと 「自分の好きなことに 楽しそうに 一生懸命 打ち込んでいるA君って いいなぁ」と感じたのではないでしょうか。
Bさんは 自分の好きなことに 楽しみながら 必死で取り組める そんな人になりたい」と思っていたから、A君をいいなぁと感じたのだと思います。

こんなふうに「いいなぁ」と思う人を見つけたら その人のしていることだけを見るのではなくて その後ろにある気持ちや考え方にまで、しっかり目を向けると 本当の意味が見えてくるのではないでしょうか。

Bさんは、A君の姿をいいなぁと思った後、「ようし、私も大好きな合唱の練習を、楽しみながら、精一杯頑張れるようになるぞ!」という目標を立てました。

他人のいいところを、そのまままねするのではなく、ちゃんと自分に合わせてアレンジする。そうすれば、いろんな人のすてきなところを自分の中に取り入れていくことができるのではないでしょうか。

これから、みのり班で 班のみんなの目標を聴き合うけれど、仲間のいいところを自分にあわせてアレンジすれば、自分の目標に付け足せるかもしれませんね。

さて、全然違うお話を一つ 付け足します。
今朝、ななかまど学年の木が植えてあったこと、仲間入りしたことに気づきましたか?
植樹って言うのだけれど、きれいに植えてありましたね。

さて、自分の学年の木を植樹した時のこと 覚えていますか?
どんな気持ちで植えましたか?
学年の木 見に行っていますか?
大きく 元気に育っていますか?

さて、ななかまどの木は、まだ植えたばかりなので、まだ根っこもが、ちゃんと広がって根付いていません。ですから、しばらくの間は、ボールがぶつかったり、人がぶつかったりしないように、優しく 大切に見守ってあげてくださいね。

それでは、後期も頑張っていきましょう。