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校長室だより

平成29年度 卒業式 校長式辞

平成30年3月19日 校長 佐藤昌彦

温かな日差しを受け、すべてのものが躍動のときを迎えようとしている 今日のよき日に 山形大学附属小学校を卒業される 99名の皆さん、誠におめでとうございます。
また、保護者の皆様におかれましては、たくましく成長したお子様の姿に お喜びもひとしおのことと存じます。

佐藤 公啓PTA会長様、中村喜兵衛同窓会会長様をはじめとするご来賓の皆様の臨席を賜り、山形大学の小山清人学長をはじめとする大学関係者の皆様の列席のもと、平成29年度 卒業証書授与式を、かくも盛大に挙行できますこと誠にありがたく、深く感謝申し上げます。

さて、ただ今、一人ひとりに卒業証書をお渡ししました。
実は、今年度より、卒業証書がこのような新しい形のものに変わりました。

自分の卒業証書をそっと開いて、見てください。

最初に、番号が書かれています。この番号はあなただけの番号です。
本校が山形大学の附属学校となった昭和26年以降、第1回卒業生からずっと つながっている番号です。オリーブ学年の皆さんを含めて8,003名となりました。
この番号は、ただ順番や人数を示している訳ではありません。
あなたが、附属小学校の伝統を受け継ぎ、そしてそれを後輩へと引き継いだ証です。
みなさんが、この附属小学校の伝統の中に しっかりと位置付いたことを示しているのです。

次に 卒業証書と大きく書かれ、真ん中には、『小学校の課程を修了したことを証する』 と書いてありますね。
そして、左上に押してある 大きなハンコは、山形大学の印です。
これは 平成24年4月9日にみなさんが入学し、学校探検やひらがなの練習、数の数え方から始めた小学校での学びを、オリーブ学年の仲間とともに しっかりと積み上げ、 本日全て修了したということを示しています。

次に、自分の名前が書いてありますね。この卒業証書は世界であなただけの卒業証書なのです。だからこそ、そこに、しっかりとあなたの名前が書かれています。
その名前をじっと見てください。みなさんの人生は、その名前とともにスタートしました。みなさんの家族は、どんな名前にするか、どれほど考えたことでしょう。どんな思いをこめて その名前を選んだのでしょう。
その名前は、これからも ずっとあなたと生きていく、パートナーです。誇りをもって、大切にしていってくださいね。

その下には、あなたの誕生日が書かれています。
そこに書いてある日に、あなたは生まれました。
その日はどんな日だったのでしょうか。
聞いてみたことはありますか?
天気はどうだったのでしょうか。晴れていたでしょうか、それとも寒かったでしょうか。
どんな日であっても、家族や親せきの人たちは あなたが生まれたことを どれほど喜んだことでしょう。
あなたが あなたになるために歩き始めた最初の日です。

そして今日まで歩き続ける中で、みなさんはたくさんのことを乗り越え、今日、小学校を卒業していきます。

でも、いつも どんなときも 一人ではなかったですよね。

朝、なかなか起きられない時、起こしてくれた。
学校に行くのが ちょっと嫌だった日、大丈夫だよと励ましてくれた。
風邪やインフルエンザで熱が出た時、心配して迎えに来てくれた。
忘れ物をしたとき、大急ぎで学校へ届けてくれた。
友達とけんかしたとき、真剣に話を聞いてくれた。
登山の時に、手を繋いで登ってくれた。
休み時間に一緒に大笑いした。
問題が解けなくて困っていると、そっと教えてくれた。
あなたのいいところを ステキなところを すごいねとほめてくれた。
あなたの命が生まれた日から、家族、友達、先輩、先生・・・

本当にたくさんの人があなたのそばにいて 支えてくれたことでしょう。

そして、もう一つの日付、平成30年3月31日
人生の中の大きな節目の日です。
次へのステップの節目の日です。
人生は節目があるからこそ、次の成長があるのです。
小学校を卒業するということの意味を、しっかり心に刻んでください。

一番下には、私の名前があります。
これは、オリーブ学年のみなさんは、間違いなく 正真正銘 私たちの自慢の卒業生です。そう確信している 先生方 職員、山形大学附属小学校のみんなの代表として書いてあります。

卒業証書は、1枚の紙ですが、そこには、みなさんの大事な、大事な6年間がぎっしりつまっています。私は、この式辞を書きながら、全てが、オリーブ学年の合言葉、『感謝・自由・誇り』につながるように感じました。
この附属小学校の卒業生であること、オリーブ学年の一員であることに、誇りをもち これからも 自分磨きを頑張っていってください。

さて、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。

これから子どもたちは「思春期」という人生において、最も多感な時期を歩んでいきます。あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながら、自分探しに取り組むはずです。

皆様にとっては、楽しみが多い反面、悩みに突き当たることもあるかと思います。
どうぞ、子どもたちの頑張る姿を温かく見守るとともに、保護者の皆様が、精一杯、そして自分らしく生きる姿を見せることで、子どもたちを勇気づけ、導いてあげてください。いつまでも「子どもたちの手本となる存在」でいてください。
これまでいただきましたご協力、ご厚情に深く感謝いたします。

さあ、卒業生のみなさん。羽ばたきの時です。
胸を張って、晴れやかに中学校に進んでいってください。

最後に みなさんに 私の大好きな あいだみつをさんの言葉を贈ります。

『自分が自分にならないで だれが自分になる』
だれかに憧れ だれかをめざしても、決して その人にはなりませんし、だれにも けっして あなたの代わりはつとまりません。
あなたが あなたの魅力 あなたの長所を 最大限に生かして、最高のあなたになってください。

ご卒業おめでとうございます。以上で私の式辞といたします。