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校長室だより

友達は自分の鏡(全校朝会の校長講話)

令和4年11月16日 校長 林 敏幸

赤や黄色に色づいていた葉が散り始め、季節は少しずつ冬に向かっています。
 先日行われたみのり登山では、千歳山の秋をたくさん感じながら登ったことと思います。小雨まじりの天候でしたが、疲れたときは班のみんなで声をかけ合い、班の仲もさらに深まったことでしょう。これからのみのり班活動で、どの班ももっと素敵な仲間になっていくといいですね。

さて、今日は「友達は自分の鏡」ということについて話をします。以前、みなさんには、笑顔いっぱいの附属小学校にするために、「友達からされて嫌なことは友達にもしない」「友達から言われて嫌なことは友達にも言わない」ということを伝えました。このことを守って、毎日生活できていますか?今から紹介する「友達は自分の鏡」という作文は、5年生の二井しずかさんが4年生のときに書いたもので、「小さな親切運動作文コンクール」で特選に選ばれました。この作文には、みなさんが笑顔になるヒントがたくさん詰まっています。今日は、ぜひそれを見つけてください。

友達は自分の鏡

二井 しずか

「友達は自分の鏡ですよ。」
ある日、朝の会で先生が教えてくれました。わたしは、今までそんなことを考えたこともありませんでした。どういう意味なんだろうと考えていると、先生は、
「自分がやさしくすれば、相手もやさしくなって、やさしさが返ってくるのですよ。」
とやさしく教えてくれました。それを聞いて、
「よし、心がけてみよう。」
と、わたしはチャレンジを決心したのです。
 その日の中間休み。わたしはクラスのみんなとサッカーをしました。む中になると、いつもわたしはきびしくおこってしまいます。でも、先生の話を思い出して、相手がいやな気持ちにならない言い方で注意しました。すると、この日はけんかにならずに楽しくサッカーができました。わたしは、
「先生が言ったこと、そのまんまだ。」
とおどろきました。そして、それからはなるべく「ナイスシュート」「おしい」「大じょうぶ」というやさしい言葉をかけるようにしました。そうするうちに、毎日のサッカーは、ますます仲よく楽しくなりました。
 みのり班活動でも、同じようなことがおこりました。わたしは、それまで、
「1年生、ここにごみがあるからはいて。」
「2年生、ちゃんと話をきいて。」
とか、名前をよばないで注意ばかりしていました。班のみんなも、わたしのことを「4年生」とよんでいました。でも、わたしは、
「よしはるくん、なわとびとべたじゃん。すごい。」
とか、なるべく名前をよんでほめたりはげましたりするようにしました。すると、相手も「しずかちゃん。」とよんでくれるようになって、班のみんながおたがいの名前をよび合うようになったのです。そうするうちに、班の仲間と話しやすくなって、みんなの笑顔がふえていきました。わたしは、「自分からやさしくすれば、相手もやさしくしてくれるようになるんだ。本当に、友達は自分の鏡だ。」と、強く実感しました。
 言い方が一言ちがうだけで相手のとらえ方はガラリと変わってしまう…わたしはこれらの体験を通して、自分だけが気持ちよくなるだけではなく、相手も自分もうれしくなったり、楽しくなったりするような声がけをすることが大切だと気づきました。そんな声がけをすれば、おたがいの気持ちが伝わりやすくなり、気持ちが伝わり合えばおたがいのよいところが見えてきて、相手を大切に思ったり、信頼したりする気持ちが大きくなっていくのです。
「友達は、自分の鏡」
この言葉を周りのみんなにも伝え、悲しくなる人や、いやな気持ちになる人がへって、みんなが幸せな気持ちになれるようにがんばります。

みなさん、しずかさんの思いは伝わりましたか?しずかさんの作文には、笑顔になるすばらしいヒントがありましたね。
 一つは、「自分からやさしくすれば相手もやさしくしてくれる」ということ。
 もう一つは「相手も自分もうれしくなったり、楽しくなったりする声がけが大切」ということ。
 他には、「友達をきちんと名前で呼ぶこと」などもありました。しずかさんのように、みなさんも、ぜひこれらのことを意識して生活してみてください。

今月は、「思いやり」月間になっています。思いやりとは、相手の気持ちを考えてかかわることです。これは、しずかさんの作文にある「相手にやさしくする」「相手がうれしくなる声がけをする」ということと全く同じです。
 みなさんの思いやりの心が、笑顔いっぱいのやさしい附属小学校をつくっていきます。「自分ができそうなことは何か」を一人一人が考えて、ぜひ行動に移していきましょう。