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校長室だより

感謝の心と素直な心

7月全校朝会 校長講話 平成26年7月3日 校長 日伸哉

おはようございます。さわやかで元気なあいさつですね。 この前の朝会では、「いのち」のお話をしました。今日は、その「いのち」を輝かせるための大切な「二つの心」について、お話をします。心の糸を張って、目と耳と心で聴きましょうね。

一つ目は、「ありがとうの心」です。むずかしい言葉で「感謝の心」とも言います。みなさんは、お家の人に「ありがとう。」と言ったことがありますね。では、友だちにはどうでしょう。担任の先生や保健室の先生にはどうでしょう。給食の先生や教生の先生にはどうでしょう。

落としたものを拾ってもらった時、ものを貸してもらった時、やさしい言葉をかけてもらったり、励ましてもらったり、困っているとき助けてもらったりした時など、いろいろありますね。こういう時は、すぐに「ありがとう。」ですね。こんなことだってあるでしょう。保健室でクスリを塗ってもらったり、熱があってベッドで休ませてもらったりした時。また、歩けなくておんぶしてもらったり、ささえてもらったりしたこともあるかもしれません。勉強がわからなくていた時に教えてくれたり、手伝ってくれたりする時もあるでしょう。そんな時は、自然に「ありがとう。」ですよね。考えて「ありがとう。」じゃないんです。感じて「ありがとう。」なんです。ここ(ハート)で感じて「ありがとう。」なんですね。

でも、「ありがとうの心」は、そういう時だけじゃないと校長先生は思っています。悪いことをしそうになった時に止めてくれたり、わがままを注意してくれたり、本当に大事なことを教えるために厳しい言葉をかけてくれたりした時も、こころから「ありがとう。」ではないかと思います。厳しいことでも、いやな顔をしないで、こころから「ありがとう。」と言える人になってほしいと願います。

二つ目は、「ごめんなさいの心」です。むずかしい言葉で「素直な心」と言います。

みなさんの中で、「ごめんなさい」とか「わるかったなあ」という気持ちを一度も持ったことがない人はいないでしょう。「ひと」は、みんな素直な心を持って生まれてきます。その素直な心を、しっかりと表してほしいのです。失敗したり、良くないことをした時は、「ごめん。」「ごめんなさい。」「すみません。」「わるかったです。」「わるかったなあ。」と自然に言えることが大事です。「気持ち」を「言葉」で表してほしいのです。そして、同時に「次は気をつけます。」という気持ちを持つことが大切です。ここまでは、それほどむずかしいことではないでしょう。

でも、ケンカをした後や言い合いをした後は、どうでしょう。悔しくて涙も出てきた、そういう場面です。「ごめんね。」を言うには勇気がいりますね。もしかしたら、「ふん。」とされるかもしれません。もっと傷つくことになりますから、なかなか言えません。じゃあ、言わなくていいのでしょうか。言わなくて気持ちがさわやかになるのでしょうか、気持ちよく生活してゆけるのでしょうか。「いのち」が輝くのでしょうか。

頑張る以外にないですね。仲間を信じて、勇気を持って、「ごめんね。」とそっと言うことです。どちらが先でもかまいません。両方同時が一番いいのでしょうけど。片方が気持ちを伝えれば、「ごめんね。」と返ってきますから。

童謡詩人の金子みすゞさんは、こんな詩を残しています。

『こだまでしょうか』

 「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。
 「ばか」っていうと 「ばか」っていう。
 「もう遊ばない」っていうと 「遊ばない」っていう。
 そうして、あとで さみしくなって、
 「ごめんね」っていうと 「ごめんね」っていう。
 こだまでしょうか、 いいえ、だれでも。

信じて、やってみましょう。 「ごめんなさい。」と言える子は、素直な子どもです。いのち輝く子どもです。

今日は、「いのち」を輝かせるための「ありがとうの心(感謝の心)」と「ごめんなさいの心(素直な心)」の二つのお話をしました。各クラスや学年でも、いのちを輝かせることについて深めてほしいと思います。

図書館にも、「ありがとう」や「ごめんね」の本があるので、是非、読んでください。金子みすゞさんの詩の本は校長先生が持っていますので、興味のある人はどうぞ。