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校長室だより

「みのり」のルーツ

3月全校朝会 校長講話 平成27年3月2日 校長 日伸哉

おはようございます。暦は、もう3月です。5・6年生は、新しくなった教室での学習が始まります。土曜日に、5・6年生の保護者の皆さんが引越作業をしてくださいました。重い物、大きい物から細々した物まで、丁寧に作業をしていただき、心から感謝ですね。また、先週の「6年生を送る集会」では、6年生へのありがとうの気持ちをしっかり表すことができましたね。6年生の「ほおのきフェスティバル」の合奏や歌声、呼びかけもすばらしかったです。みのり班での「心の糸」がさらに太くなった瞬間でした。みなさんの心のこもった活動に「大きな拍手」を贈ります。

さて、今日の朝会では、このような「テーマ」でお話しします。

そう、「みのり」です。
附属小学校には、「みのり」と名のつく事柄や活動がたくさんありますね。
いくつかあげられますか?

(児童数人からの声)

そうですね。いろいろありますね。
「みのり班」「みのり班活動」「みのり会食」「みのり通信」「みのり遠足」「みのり登山」「みのりスポーツフェスティバル」、みんなが頑張って書いた「みのり文集」や、中庭にある四季折々に素敵な表情を見せてくれる「みのり園」もそうですね。
先生方が研究実践の中で使っている「みのりワールド」という言葉もあります。教育実習の先生方は、「みのりの一日」という教務副主任の林先生からのお便りによって研修を深めています。

では、この「みのり」という言葉のルーツはどこにあるのでしょう。
いったい、いつ頃から使われてきたのでしょうか。

色々と調べてみると、昭和3年までさかのぼるようです。
昭和3年というと、みなさんのおじいちゃんやおばあちゃんは、まだ、生まれていなかったと思います。それぐらい前です。 その昭和3年当時は、「みのり」を「美乃里」と書いています。当時、女子師範学校附属小学校(香澄町校舎)の校地内に、創立25周年を記念して造られた風致園(ふうちえん「風情のある、趣のある、味わいのある庭」)を、御大典(ごたいてん 昭和天皇の即位式)にちなんで「美乃里園」と名付けたとしるされています。当時の写真です。

白黒写真ですが、ここに池がありますね。たくさんの木々も植えられています。当時の先生方や保護者の方でしょうね。立派な庭ですね。読んで字のごとく、「美しいふるさと」を感じさせる本当に立派な庭です。

ちょっと拡大してみましょう。 「美乃里園、昭和3年」と記されています。池もはっきりわかりますね。 「美乃里(美の里)」を意識し、きっと、「美しいふるさと」への想いや「実り多きこと、幸多きこと」を願っていたのではないでしょうか。ここで、はじめて、「みのり」という言葉が使われたんですね。

これは、十日町校舎に移ってからの「みのり園」ですね。たくさんの木々が、大きく育っています。昭和43年としるされています。この頃になると、美乃里園の「みのり」が、ひらがなになっていますね。

そして、これが、現在の校舎の「春のみのり園」です。若芽の色がきれいですね。(食べるワカメではありませんよ。若い芽、萌黄色の芽のことです。)奥に見える「白い花」は、ゆきやなぎの花ですね。1年生の学年の木でもあります。きれいですね。

これは、2階から見た「夏のみのり園」です。みどりが、きれいですね。2階は、6年生の教室ですね。奥に体育館が見えます。このあたりを見てください。石に何かが刻まれているんですが、見たことありますか。

大きくしてみましょう。 「みのり園移築落成 昭和49年9月」と刻まれていますね。私たちの「みのり園」は、昭和49年にここに完成しました。5年の歳月をかけて、当時100万円ほどかけての移築だったとしるされています。移築作業は並大抵のことではありません。その当時のみのり園への思いや願いが、しっかりと受け継がれたんですね。

秋になると、こんな素敵な紅葉も見られます。 工事の足場も組まれました。教室お別れのメッセージも見えます。この池には大きな亀もいますよね。

今は、こんな感じです。工事で、周りも囲まれています。雪も積もりましたね。でも、もうじき春が来ます。
ではおさらいをしましょう。

みのりのルーツは、昭和3年に心を込めて造られた「美乃里園」の「みのり」がスタートです。「美しいふるさと」「実り多きこと、幸多きこと」「樹木のように大きく成長してほしいこと」を願って、ずーと使われ続けてきたこの「みのり」という言葉。単なる言葉ではなく、魂を持った「言霊」です。想いや願いが継承され、本校における言霊としての「みのり」が、今に至っているのです。そう考えると、歴史の重みというか、時を経て脈々と流れる血潮を感じざるを得ません。

これからも、この歴史と伝統のある「みのり」を大切にしていきたいと思いませんか。まもなく、思い出のつまった「みのり文集」もできあがることでしょう。 そして、19日には、卒業式を迎えます。「みのり班」の班長さんともお別れをしなければなりません。とてもさびしいことです。残された時を大切にし、「みのり」の心の糸をさらに太く、太くしてほしいと願います。

今日は、「みのり」のルーツ・歴史についてお話をしました。