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校長室だより

平成28年度 教育課程説明会
校長あいさつと学校概要説明

平成28年6月2日 校長 日伸哉

本日は、お忙しい中、学習参観並びに教育課程説明会に足をお運び頂きまして、ありがとうございます。また、先週末の土曜日には、PTAの早朝作業において、160名もの保護者の皆様のお力添えをいただき、校舎内外をきれいにしていただきました。お陰様で、明るく清潔でさわやかな校舎で、519名の子どもたちと、充実した学校生活を送っております。これも保護者の皆様方のご協力とご理解に支えられてのことであり、心から感謝申し上げます。

また、熊本地震における熊本大学附属学校園へのご支援につきましては、短期間のうちに約35万円もの支援募金をいただきました。子どもたちからのメッセージも300枚ちかく集まりました。心温まるメッセージです。ちょっと読んでみます。
 一年生のメッセージです。
 『くまもとだいがくのふぞくしょうがっこうへ。じしんだいじょいうぶですか?けがしてませんか?こころもだいじょうぶですか?』
 六年生のメッセージです。
 『私は、東日本大震災を経験しました、私が受けた被害は、熊本の人たちが受けた被害より大きくはありません。でも、大変な思いはよくわかります。だから、がんばってください。いつまでも、くよくよしていたら前に進めません。私も山形で応えんしています。一日も早く、熊本の人たちが元の生活に戻れるよう、祈っています。頑張ってください。熊本の人に笑顔を戻り、心の花が咲きますように・・・。』

思いを馳せられる、痛みを分かち合える、そういう力が育っていることをうれしく思っています。ちょっと余談になりますが、一年生の保護者オリエンテーションの時に、感性豊かな子どもの姿としてこんな詩を読みました。覚えてらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。読んでみます。

ふきのとう 小4 女児
学校の帰り
13号線のわきの小川のそばに
ふきのとうをみつけた
だれかが みつけて とるかもしれない
そっと 木の葉をひろって かけてやった

もう少しで 春がくるなと思った

こんな「感性豊か」で「やさしく」、そして「行動的で」「知的な」子どもを育てたいと思います。
 このような総合的な力を育てるには、どうしたらよいのでしょう。ヒントは、子どもの中にあります。子どもに学ぶことです。しっかりと洞察して育てていくことですが、これは、また別の機会にお話しできたらと思います。

では、昨日配付いたしました学校要覧に基づき、学校経営について少し触れたいと思います。お手元の2016年版学校要覧をご覧ください。
 表紙の写真は、みのり活動です。附属小のホームページにも、子どもたちの活動の写真や動画が載っていますので、是非ご覧いただきたいと思います。裏面には、学年の木が載っております。1年生は「なつめ」学年になり、花言葉は「すぐれた才知(才能と知恵)と健康」です。末永く、どうぞ、よろしくお願いいたします。

では、中をお開き頂き、平成28年度学校経営全体計画をご覧ください。
 学校教育目標は、PTA総会でも申し上げましたように「太陽の子」「北国の子」「日本の子」を目指します。同時に、地区や地域を大切にできる人、ふるさと山形を大切にできる人に育ってほしいと思っております。経営の重点キーワードは、「一期一会」です。出会いと別れを大切にして暮らしてゆきたい。そう願っているところです。また、これまで同様、「教師も児童も、個の思考が常に大切にされる場」と「附属小四つ誓い」にも力を入れて参ります。
 今年度、校門前でのあいさつでは、自主的に、やえざくら学年の6年生も校門前に立ち、あいさつ運動に加わってくれました。一日が、さわやかにスタートしています。

ここで、国立青少年教育振興機構が、「子どもの体験活動」を調査した結果に触れてみたいと思います。結論から申しますと、『子どもの頃の体験が豊富な大人ほど、意欲・関心や規範意識が高い人が多い』という結果が見えたということです。もっと詳しく申しますと、「自然体験、生活体験が豊富な子や生活習慣が身についている子ほど、自己肯定感や道徳観・正義感が高くなる」ということです。これは、大変重要なことを意味します。本校がめざしている「学び続ける子ども」は、意欲・関心を生み出す「自己肯定感」を核に、仲間とともに力を合わせて取り組む「価値」や「道徳観・正義感」がなければ育ちません。ということは、「自然体験や生活体験を豊富にすること」「基本的生活習慣をしっかり身につけさせること」が必要条件・必須条件になるわけです。
 本校では、伝統的に体験活動を重視してまいりましたし、現在も、自然の家での体験活動やみのり班での縦割り活動を継続し、より充実するよう工夫を重ねています。今年度は、さらに多様で価値ある体験活動ができる教育環境づくりをと考えているところです。要覧中段に『「学び続ける子ども」が育つ教育課程の工夫・改善と教育環境の整備』を掲げた意図も、こういう調査結果に基づいてのことです。詳しい活動内容については、後で、担当がご説明いたします。
 「基本的生活習慣」につきましては、ご家庭の力が必要になってきますので、よろしくお願いいたします。

先日の全校朝会で、金子みすゞさんのこんな詩を読みました。

星とたんぽぽ 金子みすゞ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だアまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

世の中にあるすべてのものが見えるわけではありません。見えないからないのではありません。見えないけどある。見えぬものでもある。「真心(まごころ)」を込めて、思いをはせて、「心の眼」で見えないものでもしっかり見て生活してほしいということを伝えました。
 そうしたら、五年生の子どもが、こんなふりかえり作文をつづってくれたんですね。ちょっと読んでみましょう。

『ぼくも「星とたんぽぽ」を聞いて、眼に見えなくてもちゃんとあるというところが、いいなと思いました。たとえば、相手の気持ちは眼に見えません。見えない相手の気持ちを勝手に考えて決めてしまえば、気持ちよくなりません。眼に見えないからこそ、大切なものがあると言うことだと思います。だから、これからは、注意する時にも、眼に見えない相手の気持ちを考えて、わかりやすく注意したり、優しく注意したりしたいです。それから、校長先生もおっしゃっていたとおり、今年のみのりの大テーマにもつながると思います。全校生徒が一つの輪になるようにしたいです。そのためには、金子みすゞさんの「私と小鳥とすずと」のように、みんなのよさをわかり合って生活していきたいです・・・。』

しっかり考えていますね。話を聞いて、自分事として受け止めています。これまでのことをきちんとつなげていますね。素晴らしい姿です。実のある一年になる予感がします。大変うれしいことです。
 今後も、全職員で、全校生をしっかり育ててゆきたい、そう思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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教育課程A