医学部附属病院長に 山下英俊 教授が就任 
  11月1日付けで,医学部附属病院長に 山下 英俊 教授が就任されました。任期は,平成17年10月31日までです。
  新たに医学部附属病院長に就任された山下教授に,就任に当たっての所感を寄稿していただきました。

山形大学医学部附属病院長に就任して

医 学 部 附 属 病 院 長
やま  した    ひで   とし 
山  下   英  俊   教授 
 2003年11月1日付けを持ちまして山形大学医学部附属病院長に就任しました。私のような若輩の身でこのような重責をおおせつかったことに大きな緊張感をもっております。前任者の嘉山孝正教授は附属病院においてその在任1年半で大きな構造改革を成し遂げられました。その基本的な理念は山形大学医学部附属病院を超一流の病院として機能するようにすることであると考えます。患者中心の世界最先端の医療を地域に提供すること、優秀な医師を地域に送り続けることがその目的であり、これを達成する病院を目指すということです。そのためになすべき要目は2点ありました。第一に山形大学医学部附属病院の目的、存在意義をはっきりと示され、それをすべての構成員に徹底させたことです。いうまでもなく当院の目的は上記のとおり患者中心の最先端の高度医療を提供すること、そして医学部附属病院として卒前、卒後の教育の中核となって機能することです。第二にその目的を達成するための種々のシステムを構築されたことです。これまでもそうでしたが、今後は大きな組織の構造改革にはシステムで進化していかなければなりません。システムの持つ意味は2つです。構成員は変わっても機能の方向が変化しないこと、構成員みずからの努力と見識により自己啓発、自己改革が行われていくことです。 私が2003年11月1に病院長を拝命してからも上記の方針を堅持していくことをまず私の基本方針としたいと考えております。私の力不足は誰よりも私自身が自覚しております。しかし、嘉山教授の作られたシステムの意味するところは構成員の一人である病院長が代わったからといって構造改革が交代するようでは意味がなくなります。以下にやや具体的な抱負を述べてみたく存じます。

 1) 病院構造改革の自己啓発システム:具体的な方法としてISO9001の取得に向けて病院全体で取り組んでおります。これを是非完成させたいと考えております。ISO9001は「製品の品質管理システム」の標準を満たしていることを審査され、承認をうけるもので、病院の「製品」は安全で高度な医療を提供することです。ISO9001取得にはその要求されるシステム構築、運用の体系化された運用が重要です。審査を受ける過程でわれわれの病院のシステムをもう一度大きく見直したいと考えております。ISO9001では取得後定期的な監査をうけることによりその資格を維持できます。このような外部の目で病院の機能を厳しく見てもらうことが病院機能の透明性の担保にもなります。

 2) 卒後臨床研修システム遂行:2004年度から新しいシステムがスタートします。詳細はこれまでにもこの大学病院ニュースで紹介してまいりましたが、大学病院を中心として蔵王協議会にご参加いただいている病院にもご協力いただき高度で有意義な臨床研修により多くの若くて有能な医師が育つようにがんばりたいと考えております。まずこのプログラムを有効に機能させることにより医学生から選ばれる大学病院にならなければなりません。

 3) 卒前教育への積極的な参加:嘉山新医学部長のもと卒前教育に大きな改革を行うべく計画が進行しています。医学部での卒前教育には学生のモチベーションを高めるようなクリニカルクラークシップ、チュートリアル教育などの導入、さらには医学教育の新拠点になるような改革が企画されています。患者さんの権利を十分に保護しつつ、卒前教育に取り組みたいと考えております。

 4) 高度な先端的な医療への積極的な取り組み:大学病院の使命としてあたらしい時代を切り開く医学、医療の新分野を開発することがあります。地域にそのような世界最先端の医療を導入することは各診療科で研鑽されているところです。病院の立場としての支援体制を整えたいと考えています。高度先進医療への申請、倫理面での審査をおこない患者さんの権利を守ること、そして治験センターの機能をより充実させてこのような活動(の一部にはなりますが)を側面から支援することなどを考えております。

 5) 危機管理システムの構築:病院が社会的な危機、災害に際して医療拠点として機能するためのシステムを構築していきたいと考えます。これまでも、嘉山前病院長を中心にテロ対策、SARS対策など社会の要請に敏感にいち早く対応してこられましたが、このflexibilityをさらに拡充していくこと、システムを作るのみでなく日常業務とバランスをとりながら実践的な演習を企画していきたいと考えております。危機は考えもしないところからおきることがあります。いわば危機管理はいつも応用問題を解く力、病院の底力が試されるときです。それを遂行していくための実力を演習を通じて養って行きたいと考えています。

 大学病院の構造改革は不可避のことであり、時代の要請をしっかりと受け止めることが大切です。ただ最も重要なことはなぜこのような構造改革を行わなければならないか、だれのために行うかということです。繰り返しになりますが、患者さんのための医療を提供しつづけるためです。原点を忘れないように日々努力していきたいと考えております。


             略  歴

             本籍  東京都 昭和30年8月18日生(48歳)
             昭和56年3月 東京大学医学部卒業      平成11年 7月 山形大学教授医学部
             昭和56年4月 東京大学           平成14年 4月 山形大学医学部附属病院副病院長
             昭和57年4月 東京大学助手医学部附属病院  平成15年10月 山形大学医学部附属病院長事務取扱                   
             昭和60年1月 自衛隊中央病院        平成15年11月 山形大学医学部附属病院長併任
             昭和62年1月 東京大学講師医学部      

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