山形大学校友会
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人文学部  佐藤  康之輔

語学研修で得たもの

 今回私は山形大学からの援助を受け、2週間ほどイギリスのロンドンにある語学学校で勉強させていただきました。渡航前は初めての海外なので、現地での生活への不安や期待が入り混じっていました。いざ飛行機に乗り、現地に着くと身の回りのありとあらゆるものが英語で、本当に海外にきたのだなと実感しました。ホストファミリーも親切な方々で渡航前の不安はなくなっていきました。登校初日にクラス分けテストがあり、割り振られたクラスに行くと日本人が一人もおらず、大変恵まれた環境でした。クラスメートも親切に本時の授業の流れや内容について教えてくれ、スムーズに授業の流れを把握することができました。午後からは比較的に時間があったので、一人で散策してまわることが多かったです。日本の街並みとは全く異なり、歴史や風情を感じさせる建築物が多かったです。何度も何度も道に迷いましたが、道行く人たちは親切に目的地までの道のりを教えてくれました。
 気持ちはよくても体がついてこないという事もありました。渡航して数日間は現地の生活に慣れず、気疲れや身体的な疲労から、家に着くとすぐ寝てしまいました。それでも4日目辺りからは段々と体も慣れ始め、ホストファミリーやクラスメートとも会話を楽しめるようになりました。授業は「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく取り入れたアクティビティーが多く、教師が一方的に教えるのではなく、時折ジョークを交えるなど、工夫に富んだものでした。クラスメートの多くは考えを言語化するまでのラグが短く、私が答えを考えている間に他の生徒が答えを述べてしまう、と言う事が多々ありました。日本と違って、生徒が発言しなければ授業は成り立たないし、発言しない生徒に教師がわざわざ当てるようなことはしませんでした。なので、自分をアピールするために自然と言葉が出るようになり、周りからも徐々に認められるようになり、授業外でクラスメート話す機会が増えていきました。
 残念なことに、私が通った学校にも日本人がたくさんいて、日本人どうしでコミュニティーを作っているグループもありました。それを見た私の友人が私に、「康之輔は日本人とつるんで話さないよね、どうして?」と聞いてきたので、私は「日本語を勉強しに来ているわけじゃないから」と答えると、共感してくれたらしく、その人とはこの会話以降仲好くなりました。やはり、同じ母語を話す生徒集団に好感は抱かないようでした。
 もうひとつ残念だと感じたことは、日本人学習者の多くは英語が出来ていないということでした。語学学校に通えば話せるようになると思っている生徒が多かったように思いました。私は、事前にしっかりと英語を勉強し、その成果を試す場として語学研修という方法を選んで正解だったなと思いました。それに、自分の弱点や他の生徒との実力差を痛感し今後の学習への良い動機づけとなりました。
 紙面では伝えきれないことが多いのですが、海外に行ってみたいけど不安だ、という人は「とりあえず行って来い」と応援したいです。日本を出て改めて日本の良さを知り、世界の広さを知るという経験は一生ものの財産となるはずです。私の渡航も万事うまくいったわけではありません。熱を出して2日間寝込んだり、キャッシュカードを紛失したり、道に迷って家に帰れなくなったりと散々でした。しかし、今思い返すと、それも笑い話になるいい経験だったなと思います。最後になりますが、今回の留学を支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。