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工学部   辺見  幸大

海外で活躍する技術者を目指して

 シドニーで開かれた国際学会に5日間参加しました。この国際学会は3年に一度の頻度で行われる学会であり、世界各国からこれまでの研究成果を公表する機会でもあります。この比較的規模の大きな学会に参加することができ、海外の研究者とディスカッションができたということが自分自身の貴重な経験になったと思っています。
 私は現在、機能高分子工学を専攻し、主に高分子材料の構造解析というテーマのもと、日々研究を行っています。私の所属している研究室は、3年前に立ち上ったため、私たちM2が一期生であります。当時は、研究室の運営や実験方法の確立で苦労していた日々が、3年後の現在では、国際学会で発表できるまで到達したことに私は誇りを感じます。
 学会の発表形式はポスター発表でしたが、2時間という発表時間の中で多くの研究者と不慣れながら議論を交わしました。特に、私たちと同じ視点から研究を行っている台湾グループに質問を受けた際、研究の方向性は同じでも、結論を導くまでの考え方が幅広いなと実感しました。また、ある現象を探るにはこんな測定があるなど、私の研究がまだまだ発展できることが見いだされた時間でもあったと思います。
 学会期間中、私が個人的に期待していたことがあります。それは、オーストラリアにある原子力施設ANSTOの見学です。専門である高分子材料の構造解析には、「散乱」という手法が必須であり、X線や中性子線を材料に入射することで散乱パターンを得ます。その散乱を解析して構造を解明する内容であり、高分子材料の特性を知っておくと同時にX線や中性子線を用いた散乱の知識も伴って必要となってきます。そんな中性子線を発生させている施設がオーストラリアのANSTOという施設です。海外の研究者、教授方に混ざって、見学させていただきました。将来、研究者を目指すにあたって海外の研究施設で実験ができる研究成果を残せたらなと感じました。技術力に優れた日本には、世界にない数多くの測定手法や装置が存在しますが、その現状でも材料には解明できない現象が多々あります。しかしながら、世界では日本にない技術力があり、装置があります。必要に応じて海外で実験できるような知識、語学力、行動力を身に着けることが私の将来の目標となりました。
 学会、施設の見学を通して、専門分野のみならず日常生活でも多くの人々と関わることができました。普段の生活では経験できないことが、海外では「経験できた」ということを今後の生活で活かしていきたいと思います。