山大生の皆さん、卒業生の皆さん、地域の皆さんこんにちは。
2017年卒のサツキと申します。
 突然ですが、皆さんは画像にある看板を見たことはありますか。

これは学内ではなく、小白川キャンパスに程近い五小前の平家に掲示されているものです。
見たことのある方でも、ない方も「エスペラントクラブ??」何の活動をしているのか全く見当がつかない人が多いことかと思います。
ちなみに、私が在学時には既にあったようですが全く気付きませんでした。
もっと早く知っていれば卒業論文の題材になっていたことでしょう。どうか皆さんにエスペラントを知って欲しく、今回投稿させて頂きました。

 エスペラントは異なる国同士の人々が交流しやすいように作られた「人工言語」です。1887年に発表されました。
人工言語というコトバの響きは一見何だか難しそうに聞こえますが、人の手によって作られたからこそ、文法における不規則な例外がありません。単語の語尾を見るだけでその単語の品詞が一目瞭然で、とても学びやすい言語なのです。
創案者のザメンホフはポーランド北東部ビャウィストクで生まれ、異民族が混ざり合う地域に暮らし、民族同士お互い異なる言語で罵り合う光景を子ども時代に度々目にしてきました。絶えない争いの原因は相手への理解が不足しているからだと考え、早くも簡単な共通語の必要性を感じていました。
19歳の時には殆どその自作の共通語が完成していたと云われています。
 
 現在国際語は英語が主流ではありますが、ある特定の国の言語が国際語では、ネイティブと非ネイティブの間で意思疎通を図ることは非ネイティブにとって大きな負担である上に不公平だと言えるでしょう。
エスペラントは一定の年齢に達した人が自分の意思で学習した人が殆どであるため、ネイティブ話者は原則いません。それ故、中立的な言語とされています。
男女平等、人種平等が叫ばれている現代において言語の平等についてももっと議論されてもいいのではないでしょうか。

 エスペラントに好意的であった東北の著名人には宮沢賢治、吉野作造、新渡戸稲造、そしてなんと、山形大学が注目している安達峰一郎もいます。
国際連盟にて当時日本代表になった安達峰一郎は前任者が反対したエスペラントに好意的な決議に賛成票を投じました。
他にも公用語を増やす提案に反対しエスペラントを推奨した経歴があります。
(臼井裕之〔2022〕安達峰一郎〜忘れられていた「もう一人の新渡戸」『エスペラント La Revuo Orienta』12月号p20)

 意外なことに山形大学にもエスペラントの繋がりがあります。10年程前、山形エスペラントクラブの現会長・國井兵太郎がエスペラントの言葉で歌われたCDを作った際、伴奏と歌唱を依頼したのです。
歌唱は当時地域教育文化学部教授の藤野祐一先生、伴奏は同学部と山形大学大学院を卒業された小平圭亮さんが務めました。
もっと時代を遡ると山形大学にエスペラントの雑誌を設置していたことも、山形大学の学生によるエスペラント団体もあったようです。

 ところで、最近はサッカーW杯が大盛り上がりですね。実はそこにもエスペラントが登場しています。あの派手なデザインの公式ボールには6つの言語でサッカーの価値を表す言葉が英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、中国語、そしてエスペラントで書かれているとのことです。
 
 いかがでしたでしょうか。エスペラントに親しみを感じて頂けたらと幸いです。私はこの4月から今その山形エスペラントクラブに所属しています。ご興味がある方はぜひお問い合わせ下さい。お待ちしています。
なお、仙台にも別のエスペラントクラブがあります。興味はあるけれどいきなり問い合わせするのはちょっと…という方は、日本エスペラント協会のホームページにエスペラント初学者のための無料ドリルが公開されていますので、そちらでも学習することができます。言語学習アプリduolingoでもエスペラントが選択できますし、遊学館でも学習書が借りられます。

●こんな方にエスペラントがお勧めです。
・国籍年齢関係なく人と交流することに前向きな方
・一生続けられる趣味を持ちたい方
・ 平和と多文化共生に関心を抱いている方
・ 旅行が好きな方(国内外でエスペラントの催しが行われています。)
・ 英語学習に挫折した方(英語に似た単語も多く覚えやすいです。)

●ちょこっとエスペラント文法
・語尾にaが付くものは形容詞です。
 例granda(大きい) malgranda(小さい)sana(健康の)・malsana(病気の)
・語尾にeが付くものは副詞です。
 例rapide(速く)malrapide(遅く)tre(とても)ofte(しばしば)
・ 語尾にoが付くものは名詞です。
例amiko(友達)dio(神)universitato(大学)amo(愛)akvo(水)
・ 動詞の語尾はiが基本形で、時制によって変化する。
例 ami(愛する) 原型
  amas(愛している)現在 
  amis(愛していた) 過去
  amos(愛するだろう)未来
  amu (愛しなさい)命令
接頭辞や接尾辞を使うことで意味が派生し、覚える負担も比較的少なくて済みます。

以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。そしてこのようなプラットフォームを設立して頂き交流する機会に恵まれたことに感謝いたします。