【授業概要】
・テーマ
国際社会において公共の利益とは何かを理解し、それを実現するための諸政策がどのように形成されるか、具体的な事例を題材にして考察する。 国際社会の公共政策の実現には、国家主権の壁があり、国内における公共政策よりも実現のためのハードルは高い。この国家主権をどのように乗り越えて、合意形成に至るのかというプロセスを、環境問題、開発援助、平和構築などの具体例を通して考える。
・到達目標
国際社会における公共政策は、理念だけでは達成できないが、行為者の間で理念を共有することが必要である。授業で得た知識に基づき、共通の理念を形成するためには何が必要かについて考え、現在の国際関係を批判的に分析することができるようになる。
・キーワード
国際公共政策、国際機関、環境問題、紛争処理、コンストラクティビズム
【科目の位置付け】
専門科目(公共政策コース・コア科目)ディプロマ・ポリシーの現代社会が抱える問題の所在を見いだし、それらの問題を社会科学の視点から論理的に分析したうえで、解決するための立案に取り組むことができるための科目である。 国際関係論(2年次配当)の応用科目である。 学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
講義を聴き、理解することを基本とするが、ビデオなどの視聴覚教材や新聞報道などに基づき、現在進行中の問題について、実際に政策を立案してみる。
・日程
1 国際公共政策とは何か。ーー国際社会の全体の利益を考える必要性ーー 2 地球環境政策(3回) 3 核兵器と軍縮 (2回) 4 安全保障:国際平和は誰が守るのか?(2回) 5 開発と援助(2回) 6 国際社会と人権問題 7 難民:国家から保護されない人を誰が守るのか? 8 国際公共政策の理論的位相 9 期末試験 10 試験の講評とまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
この授業は国際関係論で履修した内容の理解を深めるためのものです。 日本の外交政策や国際社会の動向について関心を持ち、授業に参加してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
国際社会の問題に注意を払い、なぜそうなっているのかという疑問を持ってください。 授業で得た知識や考え方をもとに、実際に進行している問題にあてはめて考えてみる。
【成績の評価】
・基準
1)国際公共政策に関する知識を修得し、それに基づき具体的な問題を明確に指摘することができる。2)具体的な問題に対して、様々な立場の意見を尊重しながら、自分の見解を論理的に説明することができる。
・方法
期末試験の成績(70点)(論理構成、記述の正確さ、理念・概念の理解度) レポート(20点)、学習意欲および授業への積極的参加(10点)
【テキスト・参考書】
テキストは特に定めません。以下は参考書です。 上村雄彦『グローバル協力論入門』法律文化社、2014年 ジョセフ・S・ナイ・ジュニア『国際紛争(原書第8版)』有斐閣、2011年 メアリー・カルドー『グローバル市民社会論』法政大学出版局、2007年
【その他】
・学生へのメッセージ
テレビ・新聞で講義に関するトピックのニュースを見るようにする。
・オフィス・アワー
金曜日 12:30~14:00、高橋研究室
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