生体無機化学
 Bioinorganic Chemistry
 担当教員:崎山 博史(SAKIYAMA Hiroshi)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質生命化学科  科目区分:選択科目 
【授業概要】
・テーマ
私たちの体の中で,金属元素はどのような働きをしているのか,無機化学や錯体化学をベースにして,主なものについて学習します。金属酵素や金属タンパクの構造と働き,生体における小分子(酸素など)の活性化と反応などについて基礎的な考え方を身につけることが目的です。
・到達目標
1)生体内の金属元素の働きについて,説明できるようになる。
2)金属酵素や金属タンパク質の活性中心のうち,主なものについて説明できるようになる。
3)小分子(活性酸素を含む)の分子軌道を理解し,説明できるようになる。
4)モデル化合物について,説明できるようになる。
・キーワード
金属元素,生体機能,金属酵素,錯体化学,電子状態

【科目の位置付け】
この授業は,生体無機関連分野における知識の修得を目的に、無機化学・錯体化学を基礎として,体系的に学習するものである。(理学部カリキュラム・ポリシー1)

【授業計画】
・授業の方法
毎回,生体無機関連分野のテーマについて,講義をおこなっていく。
・日程
第1回目 講義のすすめ方とガイダンス
第2回目~第14回目
金属酵素における金属イオンの役割,酸素と金属のかかわり(ヘモグロビン,ミオグロビン,シトクロム類,スーパーオキシドジスムターゼ,カタラーゼ,ペルオキシダーゼ,ヘモシアニン,ヘムエリトリン),酸素発生(OEC),水素発生(ヒドロゲナーゼ),窒素固定(ニトロゲナーゼ),加水分解(カルボキシペプチダーゼ,ウレアーゼ),神経伝達物質の合成,胃癌とピロリ菌,制癌剤,人工モデル(区切りの良いところで中間テストをおこないます)
第15回目 授業のまとめ(試験を含む)

【学習の方法】
・受講のあり方
講義内容をノートに筆記して内容の理解に努めるとともに,実生活と結び付けて考える習慣をつける。
・授業時間外学習へのアドバイス
参考書などで体系的に理解を深め,疑問の解決に努めましょう。

【成績の評価】
・基準
到達目標に記された4点について説明できることを合格の基準とします。
・方法
中間テスト 40点, 最終試験 60点
正当な理由なく欠席した場合は減点の対象となります。

【テキスト・参考書】
参考書:荻野博ほか著「基本無機化学」(東京化学同人、第2版、11章)
参考書:西田雄三著「無機生体化学」(裳華房)
参考書:増田秀樹、福住俊一 編著「生物無機化学」(三共出版)

30300420-2016-03-33190