【授業概要】
・テーマ
総論では植物を対象とした系統分類学の基礎と方法論及びその歴史的経緯を概説し、細胞内共生などの進化過程およびその多様化の機構を理解する。各論では「植物」として扱われる真核光合成生物を中心に、分類群の特徴と系統関係を体系的に解説し、「植物」の進化研究における最新の成果を学ぶ。特に種数の多い陸上植物については、分子系統解析の成果を取り入れた最新の研究成果を中心に、体制進化と多様化の過程を体系的に解説する。
・到達目標
生物の世界における「植物」の位置づけを知り、「植物」の高次分類群が認識でき、分類体系が理解できるようになる。特に陸上植物について、主要なグループの進化過程が理解できるようになる。
・キーワード
植物、生物多様性、分子系統、細胞内共生、真核光合成生物、原生生物
【科目の位置付け】
植物の分類体系および進化過程に関する知識を習得する(理学部カリキュラムポリシー2)。
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを利用して講義を行う。講義に使用するプレゼンテーション資料を印刷したものを配布する。
・日程
第1回:総論:分類学と系統学の基礎 第2回:総論:「植物」の認識の歴史的変遷 と「共生説」 第3回:シアノバクテリア,灰色植物,紅色植物 第4回:黄色植物(オクロ植物) 第5回:二次植物(1) クリプト植物・ハプト植物 第6回:二次植物(2) 渦鞭毛植物 第7回:二次植物(3) ミドリムシ類・クロララクニオ植物 第8回:緑色植物(緑藻植物・水生のストレプト植物) 第9回:陸上植物(1) コケ植物 第10回:陸上植物(2) 小葉植物・大葉シダ類(1) 第11回:陸上植物(3) 大葉シダ類(2) 第12回:陸上植物(4) 裸子植物(1) 第13回:陸上植物(5) 裸子植物(2)・被子植物(1) 第14回:陸上植物(6) 被子植物(2) 第15回:まとめと試験
【学習の方法】
・受講のあり方
休まずに受講し、理解できなかった点などは積極的に質問して下さい。重要なことはおおむね配付資料に載せておきますが、講義中に説明する内容の中にも重要な点がありますので、必ずメモをとること。
・授業時間外学習へのアドバイス
下記の参考書などを読んで予習しておくと、講義の理解が深まります。理解できなかった点については、できるだけ早く質問して解消すること。さらに配布資料や参考書などを読んで自主的に学習すると、より理解が深まります。
【成績の評価】
・基準
「植物」の高次分類群の特徴と系統的位置を理解できているか、特に陸上植物の主要グループの特徴と系統関係が理解できているかを評価する。
・方法
上記基準の達成度を授業参加点(20%)および期末の論述試験(80%)で評価する。
【テキスト・参考書】
特に指定しない。資料は講義時に配布します。 1)千原光雄(編)バイオディバーシティ・シリーズ3「藻類の多様性と系統」裳華房 1999 2)井上勲「藻類30億年の自然史」第2版 東海大学出版 2007 3)ギフォード, E. M.・フォスター, A. S. (長谷部光泰他監訳)「維管束植物の形態と進化」文一総合出版 2002 4)伊藤元己「植物分類学」東京大学出版会 2013
【その他】
・学生へのメッセージ
常に問題意識を持って、自分で学ぶ姿勢を積極的に示すよう心がけて下さい。理解できなかった点についての質問は随時受け付けます。
・オフィス・アワー
研究室に在室している時間は随時
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