【授業概要】
・テーマ
生命が誕生した場所とされる海で、生きている動植物を観察し、直接触れることにより、今後生物学を学んでいくための動機付けとする。また、生きている海洋生物に接して、生命のいとなみの基本的仕組みを知る。
・到達目標
沿岸海域に生息する動植物やプランクトンなどをフィールドで観察し、その一部を採集して実習室に持ち帰り、形態の観察、スケッチ、種の同定を行う。ウニの受精実験を行い、発生の過程を観察する。これらの実習を通して、生物学の基本的な研究手法を理解する。
・キーワード
底生生物、遊泳動物、浮遊生物の採集と観察、ウニの発生観察
【科目の位置付け】
カリキュラムポリシー2に則り、これから生物学を学ぶための導入教育として、生物科学の研究に必要とされる生物の観察法、採集法、観察データのまとめ方などを実践的に学び、今後の学習に必要な基礎知識と基本的技術を身に付ける。
【授業計画】
・授業の方法
フィールドに近い臨海実習施設に宿泊しながら集中的に実習を行う。
・日程
本実習は以下の内容で実施する予定である。ただし、気象条件や潮汐条件に応じて日程を変更することがある。なお、実習実施前ガイダンス(場所・期日は掲示する)を行うので、必ず出席すること。
第1日目午後:出席確認、利用施設に関する諸注意、実習概要説明 第1日目夜間:海洋環境と生息する生物に関する講義、翌日の実習準備 第2日目午前:ウニ卵の人工受精と初期発生の観察 第2日目午後:ウニの発生観察(可能な限り最終日まで継続) 第2日目夜間:動物の個体発生に関する講義、翌日の実習準備 第3日目午前:潮間帯の生物の生態観察と採集 第3日目午後:採集生物の形態観察、分類群の同定 第3日目夜間:翌日の実習準備 第4日目午前:海洋プランクトンの採集 第4日目午後:海洋プランクトンの観察、分類群の同定、実習のまとめ 第5日目午前:実習用品の片づけ、実験室・宿舎の清掃、レポート課題提示
【学習の方法】
・受講のあり方
野外実習には危険がともなうので、教員や船長の指示にしたがって、十分注意すること。団体行動に徹し、周りの迷惑にならぬよう気をつけるこ と。近隣住民への配慮も忘れぬようにすること。
・授業時間外学習へのアドバイス
実習前に、実習マニュアルに目を通す。実習に必要な用品を点検し、忘れ物をしないで実習に参加すること。
【成績の評価】
・基準
実習に取り組む姿勢 20% 海洋生物の観察法の理解 40% 採集用機材・観察用機器の使い方の習得 40%
・方法
実習への取り組み姿勢とレポートの内容から評価する。
【テキスト・参考書】
実習資料を配付する。図鑑類は実習施設にある。主なものを下記に示す。 海産無脊椎動物の発生実験 石川優他 培風館 海藻・海浜植物 標準原色図鑑全集15 千原光雄 保育社 日本プランクトン図鑑 山路勇 保育社
【その他】
・学生へのメッセージ
学外施設を利用するため、旅費および宿泊費は自己負担となる。
・オフィス・アワー
担当教員がいっしょに宿泊して実習の指導を行う。
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