【授業概要】
・テーマ
DNA分析による分子マーカーを用いて森林植物の遺伝学的情報を取得してその生態について幅広い研究を行う森林分子生態学について学ぶ。種間、種内の集団間、集団内の個体間等のさまざまなレベルを対象として遺伝的情報を取得する研究に加え、絶滅危惧植物等を保全するために活かすことのできる保全遺伝学的なアプローチについて、その研究実例を紹介しながら「分子生態学的手法によってどのようなことがわかるのか」を学ぶ。
・到達目標
遺伝的多様性の意味、その評価・解析方法の概要、その損失要因および保全方法を理解する。また、分子生態学的手法によって何ができるのかを理解する。
・キーワード
遺伝的多様性、絶滅危惧植物、集団遺伝、分子マーカー
【科目の位置付け】
生物学科の学習・教育目標C
【授業計画】
・授業の方法
液晶プロジェクターや配布プリントを用いた講義と、実際にフィールドに出て講義を行う。
・日程
原則として以下の計画に沿って進めるが、必要に応じて内容を変更することがある。 第1回 遺伝的多様性の意義 第2回 遺伝的多様性の評価・解析方法 第3回 遺伝的多様性の損失要因 第4回 遺伝的多様性の保全 第5回 種間の遺伝的違い 第6回 同一種内における集団間の遺伝的違い 第7回 同一集団内における個体間の遺伝的違い(1) 第8回 同一集団内における個体間の遺伝的違い(2) 第9回 講義のまとめ 第10〜15回 集中フィールド講義(日帰り、東北大学川渡フィールドセンター)
【学習の方法】
・受講のあり方
講義の冒頭で説明する小試験の問いについて頭で考えつつ適宜メモをとりながら受講してください。講義中の質問は適宜受け付けますので、積極的な受講態度で臨むようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
小試験の解答がうまくまとまらなかった場合や、理解が追いつかなかった点に関して自習して理解を深めてください。
【成績の評価】
・基準
分子生態学に関する基本的な概念や用語を正しく理解していることを合格の基準とします。
・方法
平常点40%+毎回講義後半で行う小試験60%
【テキスト・参考書】
参考書:井鷺裕司・陶山佳久「生態学者が書いたDNAの本」文一総合出版, 2013年 参考書:津村義彦・陶山佳久編「地図でわかる樹木の種苗移動ガイドライン」文一総合出版, 2015年
【その他】
・学生へのメッセージ
分子生態学的研究の面白さを感じてもらいたいと思っています。
・オフィス・アワー
講義後の時間を利用してください。
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