地質学演習
 Exercise of Geology
 担当教員:丸山 俊明(MARUYAMA Toshiaki)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:地球環境学科(平成26年度以前入学者)  科目区分:必修科目 
【授業概要】
・テーマ
 地層には地球の歴史が記録されている。地球の歴史を紐解くためには地層をどのように調査・観察すればよいのか、どのように記述すればよいのか、基本的な手法を学ぶ。この授業では、堆積岩を中心とした地層の区分や命名のルールを学び、どのような堆積作用によって岩石や地層が形成され累重していくかについて解説する。
・到達目標
 学習目標として、(1)堆積岩の基本的な名称を理解する、(2)堆積過程や堆積環境の基礎知識を得る、(3)地層を記述する際に必要な基礎的な事項を理解する、の達成をめざす。この授業を習得すると、以下のような能力が身につくはずである。(a)野外調査の際に露頭で出会う堆積岩に名前をつけ、その特徴を詳しく記載することができる。(b)その岩石を構成する粒子の特徴と岩石内部に残された堆積構造から粒子の起源、堆積過程および堆積環境を推定することができる。(c)堆積岩を主とした地層や岩体の積み重なりからを層序を組み立てることができる。(d)地質図の読図と作図の基本が身につく。
・キーワード
 地層 堆積学 層位学 地質図

【科目の位置付け】
 学科の学習・教育目標のD 地球環境学の基礎知識を修得し、それを問題解決に応用しうる能力のうち、(D-1) 地球内部物質の成り立ちと地球の歴史に関する専門知識とその応用に深く関与し、「野外実習」の実践に役立つ。

【授業計画】
・授業の方法
 教材の精読や地質図の作図演習を中心に授業を進める。
 教科書の要点をまとめてみんなの前で発表するプレゼンテーション中心の授業形態をとる。
・日程
 1)堆積粒子と堆積岩の分類 2)層理と堆積構造 3)堆積過程における物理作用
 4)水流に対する砂の反応 5)風による運搬と堆積 6)潮汐と波浪による運搬と堆積
 7)土石流による運搬と堆積 8)堆積相と堆積環境のモデル化
 9)層序区分の原理、定義、手順 10)模式層と模式地 11)岩相層序単元
 12)不整合境界単元 13)生層序単元 14)磁場極性層序単元
 15)年代層序単元および層序単元どうしの関係
 このほかに小テストや地質図作成および期末試験を予定する。

【学習の方法】
・受講のあり方
 受講者は担当教材の内容を読み取り、与えられた時間枠で内容を発表する。
 ○学期のはじめに各人の割り当てを決める。
 ○発表時間は1人あたり20分、質疑応答は5分とし、1回の授業で3人が発表する。
 ○発表者が協力して司会進行を行う(例:第1鈴10分、第2鈴15分、第3鈴20分、終鈴25分)。
 ○発表者は教材提示装置OHCを使って、わかりやすい発表をめざす。
 ○聴講者は発表者の発表技術や内容を評価して聴講カードを提出する。
 教員からの一方通行の授業ではなく、学生による発表と相互の質疑応答によって授業を進めたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
 予習レポート、発表準備、作図課題、期末レポートを課す。予習レポートでは該当箇所をA4用紙1枚にまとめて提出する。回を追うごとに知識の連携が必要になる。教科書をさかのぼって読み返すのはもちろんのこと、入学以来のすべての教科書が参考書になるはず。

【成績の評価】
・基準
 毎回の予習レポートや聴講カード、発表成績、作図課題、小テスト、期末レポートおよび期末試験において、目標(1)(2)(3)の到達度を等価に評価する。発表者だけが評価されるのではなく、聴講者も質疑応答にどれくらい積極的に参加できるかが問われる。
・方法
 発表成績を40%、その他の評価項目(比率は等分)を60%として得点の総和をもって評点とする。評価項目のひとつでも未完の場合は不合格とする。評価の機会が複数回あるので、不合格者救済のための再試は行わない。

【テキスト・参考書】
 テキスト:ニューステージ新地学図表 浜島書店
 参考書:Fritz and Moore 著(原田憲一訳) 「層序学と堆積学の基礎」 愛智出版
 参考書:日本地質学会訳編 「国際層序ガイド」 共立出版
 参考書:坂 幸恭著 「地質調査と地質図」 朝倉書店
 参考書:長谷川・中島・岡田著 「フィールドジオロジー2 層序と年代」 共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
 授業に参加する主体者としての責任感を養い、レベルの高いコミュニケーション力を身に付けてください。

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