地球環境特殊講義I
 Special Lecture of Earth and Environmental Sciences I
 担当教員:青木 輝夫 (AOKI Teruo)
 担当教員の所属:理学部非常勤講師
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:地球環境学科  科目区分:選択科目 
【授業概要】
・テーマ
「積雪の放射特性と気候研究への応用」
雪氷面は太陽からの日射を強く反射し、赤外放射によって冷却されることによってことによって、寒冷な環境が維持されている。この様な太陽光や赤外線などの放射は地球の気候に重要な役割を持っている。本講義では積雪の放射特性、雪氷圏における放射の役割、グリーンランドにおける観測結果などについて学習する。
・到達目標
雪氷圏の放射過程に関係する以下の内容を理解する。
1)雪氷圏における放射の役割
2)積雪の放射特性を支配する物理過程
3)積雪の放射伝達モデルの原理
4)積雪の放射観測手法
5)衛星リモートセンシングによる積雪物理量の抽出アルゴリズムの原理
・キーワード
積雪、放射伝達モデル、アルベド、グリーンランド、衛星リモートセンシング

【科目の位置付け】
地球環境学科の学習・教育目標のうち、E:「地球環境学の広い知識と考え方を総合して、社会の要求を理解し解決策を立案する能力」に付随的に関与する。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントと板書を中心とした講義と演習を行う。プリントを配布する。
・日程
2日間の集中講義として次の項目について解説し、最後に演習を行う。集中講義の日程についてはおって掲示する。
1)はじめに
2)雪氷圏における放射の役割
3)積雪の放射特性と放射伝達モデル
4)積雪物理量とアルベドの観測
5)気候モデルにおける積雪アルベドモデル
6)積雪変質過程と放射過程の関係
7)グリーンランド氷床上における放射・雪氷観測
8)積雪物理量の衛星リモートセンシング

【学習の方法】
・受講のあり方
1)パワーポイントや板書で示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
2)講義を集中して聴講し、疑問があれば積極的に発言する。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義終了後に全体の復習を行うこと。また、これを機会に講義内容に関する文献を自ら調べ、内容の理解を深める自己学習を推奨する。

【成績の評価】
・基準
到達目標に示した5項目を理解し、適切に説明できることを合格基準とする。
・方法
授業への取り組み、レポートなどを総合して評価する。

【テキスト・参考書】
参考書:浅野正二著「大気放射学の基礎」朝倉書店

【その他】
・学生へのメッセージ
青木先生は気象庁気象研究所気候研究部第6研究室長で、北極域を主なフィールドとして、雪氷融解・地球温暖化と太陽・地球放射等との関係について研究を進めています。当該分野の国際的第一人者であり、国内では大型科研費基盤研究(S)、通称SIGMAプロジェクトのプロジェクトリーダーでもあります。SIGMAプロジェクトにおけるグリーンランド氷床掘削には本学研究科の大学院生も参加しています。地球の熱収支、地球温暖化、雪氷融解に関する基礎知識や極地フィールド・人工衛星による研究観測まで、皆さんにとって有意義かつ興味深いお話をしていただけると思いますので、ぜひ聴講してください。
・オフィス・アワー
学科担当教員は鈴木です。集中講義の日程は掲示連絡するので留意してください。

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