全身性疾患学:免疫・アレルギー
 Immune and Allergic diseases
 担当教員:浅尾 裕信(ASAO Hironobu), 久保田 功(KUBOTA Isao)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:11単位  開講形態:講義
 開講対象:医学科  科目区分:専門教育・必修  
【授業概要】
・テーマ
免疫・アレルギー疾患の診断と治療
代表的な自己免疫疾患、アレルギー性疾患、先天性免疫不全症について、それぞれ最新の知見を交えながら疾患の病態生理、症候、診断や治療について集中的に講義を行います。集中的な講義を通して、免疫関連疾患についてのより臨床的な理解を深めてもらうことをねらいとしています。
・到達目標
《一般目標》
免疫・アレルギー疾患の病態生理を理解し、症候、診断と治療を学ぶ。

《到達目標》
[診断と検査の基本]
自己抗体の種類と臨床的意義を説明できる。

[症候]
ショック、発熱、全身倦怠感、発疹、貧血、リンパ節腫脹、浮腫、呼吸困難、咳、痰、
蛋白尿、関節痛、関節腫脹を説明できる。

[病態と疾患]
① 自己免疫疾患一般
1.膠原病と自己免疫疾患を概説し、その種類を列挙できる。
2.関節炎をきたす疾患を列挙できる。
3.レイノー症状を説明し、原因疾患を列挙できる。

② 全身性エリテマトーデス「SLE」
1.全身性エリテマトーデス「SLE」の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
2.全身性エリテマトーデス「SLE」の合併症(中枢神経ループス、ループス腎炎)を説明できる。
3.抗リン脂質抗体症候群の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。

③ 全身性硬化症「強皮症」、皮膚筋炎、多発(性)筋炎
1.全身性硬化症「強皮症」の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
2.全身性硬化症「強皮症」の臓器病変(特に肺、腎)を説明できる。
3.皮膚筋炎、多発(性)筋炎の症候、診断と治療を説明できる。

④ 関節リウマチ
1.関節リウマチの病態生理、症候、診断、治療とリハビリテーションを説明できる。
2.関節リウマチの関節外症状を説明できる。
3.悪性関節リウマチの症候、診断と治療を説明できる。
4.若年性関節リウマチの特徴を説明できる。

⑤ 血管炎症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病とその他
1.混合性結合組織病「MCTD」の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
2.血管炎症候群を列挙し、その病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
3.シェーグレン症候群を概説できる。
4.ベーチェット病を概説できる。
5.川崎病「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。
6.成人スチル病を概説できる。

⑥ アレルギー
1.アレルギー疾患の特徴とその発症を概説できる。
2.アナフィラキシーの症候、診断と治療を説明できる。
3.薬物アレルギーを概説できる。

⑦ 先天性免疫不全症
1.先天性免疫不全症の病態、診断と治療を説明できる。

・キーワード
自己免疫疾患、アレルギー、免疫不全症

【科目の位置付け】
全身性疾患学の中の一つのコースです。

【授業計画】
・授業の方法
各々専門の教員により講義を行います。
・日程
1 免疫機構と疾患(浅尾裕信)
2 自己免疫疾患一般(膠原病概説、関節炎、レイノー症状)(今田恒夫)
3 免疫・アレルギー疾患の検査と診断(柴田陽光)
4 免疫・アレルギー疾患の症候(冨樫整)
5 アレルギー疾患の特徴と発症(アレルギー性鼻炎)(太田伸男)
6 薬物アレルギー(川口雅一)
7 アナフィラキシー(柴田陽光)
8 全身性エリテマトーデス(市川一誠)
9 シェーグレン症候群、ベーチェット病(金子優)
10 混合性結合組織病、抗リン脂質抗体症候群、成人スチル病(今田恒夫)
11 関節リウマチ(高窪祐弥)
12 血管炎症候群、悪性関節リウマチ(市川一誠)
13 強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎(鈴木民夫)
14 小児領域のアレルギー、自己免疫疾患(仙道大)
15 先天性免疫不全症(小野田正志)

日程の詳細については講義前に日程表を配布します。

【学習の方法】
・受講のあり方
上記の授業目標をよく把握したうえで、各授業に臨んでください。
授業中は疑問点をまとめ質問をするなど、積極的に参加する姿勢が重要です。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業計画に示した各授業のテーマについて、予め各科の教科書で予習してくることが望まれます。

【成績の評価】
・基準
免疫関連疾患の病態、症候、診断および治療に対する十分な知識と理解の程度を判定します。
・方法
筆記試験、レポート等により総合的に判定します。

【テキスト・参考書】
1. Arthritis and Allied Conditions: A Textbook of Rheumatology (Arthritis & Allied Conditions) (第15版)William J. Koopman, Larry W. Moreland
(編集), Lippincott Williams & Wilkins
2. リウマチ病学テキスト(初版)一般社団法人 日本リウマチ学会生涯教育委員会、財団法人 日本リウマチ財団教育研修委員会編,診断と治療社
3. Kelly's Textbook of Rheumatology, 9th edition, eds. Kelly W, et al. WB SAUNDERS Ltd, 2012
4. EXPERT膠原病・リウマチ(改訂第3版)住田 孝之 (編集), 診断と治療社
5. 臨床アレルギー学, 南江堂
6. Allergy, Gower
7. 新しい皮膚科、最新皮膚科学体系
8. ハリソン内科学
9. Nathan and Oski's Hematology of Infancy and Childhood, 7th Edition By Stuart H. Orkin, MD, David E. Fisher, MD, PhD, A. Thomas Look, MD, Samuel E. Lux, IV, David Ginsburg, MD and David G. Nathan, MD W B Saunders Co
10. 考える技術 臨床的思考を分析する/Symptom To Diagnosis, An Evidence-Based Guide. Stern SDC, Cifu AS, Altkorn D(著)竹本毅(訳)日経BP社

41000410-2016-04-40423