看護薬理学
 Pharmacology for nursing care
 担当教員:櫻田 香(SAKURADA Kaori)
 担当教員の所属:医学部看護学科
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義・演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
看護機能学で学んだ身体の仕組みを修飾する薬剤について学ぶ。このことによって、看護病理学・疾病論等で学ぶ疾病を治療する薬剤について理解する。薬剤の作用機序や副作用の理解を通して、看護判断や看護展開に生かせる薬理学的知識を習得する。


薬物は疾病の治療に欠かすことのできない物質であるが,用い方によってはむしろ薬害もたらす.それは何故か.薬理学を学ぶ目的は,生体に対する作用と機序を学ぶことにより,薬害をもたらすことなく病気を治療することにある.そのためには生体に対する作用と機序を学び薬の持つ多様性を理解することである.薬理学では,人体機能学, 病態生理学と関連づけながら,生体の巧妙な調節機構とその破綻,薬物による修復,修飾について解説する.従って人体機能学と薬理学とを完全に分けて講義するのではなく,人体の機能を学んだら続いてそれに関連した薬物の薬理作用について講義する.薬物と生体の相互作用の結果起こる分子レベル,細胞レベル,臓器レベル,個体レベルでの現象を解説する.
人体機能学, 病態生理学と関連づけながら,生体の巧妙な調節機構とその破綻,薬物による修復,修飾について解説する.従って人体機能学と薬理学とを完全に分けて講義するのではなく,人体の生理を学んだら続いてそれに関連した薬物の薬理作用について講義する.
医学の進歩は目覚ましい.薬業界においても,より効果的で副作用の少ない薬物の開発を目指してさかんに研究が行われ,その結果次々と新しい薬が登場している.しかし,こうした膨大な数の薬物についてすべて講義するのではなく,基本的な薬物についてとりあげ,それらの作用機序,薬物間の相互作用,薬物代謝等をしっかりと身につけることを目標に講義すると同時に,それらの理解を深めるため実習を行う.
・到達目標
薬理学総論を学ぶことによって、薬剤について説明できる。
看護機能学で学んだ身体の仕組みに薬剤がどのように作用するかを説明できる。
身体の仕組みに対する効果から、副作用の発生機序について概説できる。
薬剤相互作用や薬害・薬剤副作用について概説できる。
・キーワード
作用機序、副作用、薬剤相互作用

【科目の位置付け】
薬物の生体における作用機序を理解していく中で,科学的な思考能力と創造力,変化への対応力を培い,根拠に基づく安全な看護実践能力と生涯にわたり進化できる能力を獲得するうえで最も重要な基礎となるものである(看護学科カリキュラムポリシー).

【授業計画】
・授業の方法
講義による。
・日程
授業期間:4月~7月 授業時間帯:水曜日13:00~16:10(5~8校時)
授業内容: 薬理学総論,中枢神経系の機能,中枢神経系作用薬,自律神経系作用薬,局所麻 酔薬,筋弛緩薬,心臓血管系作用薬(抗高血圧薬,強心薬,抗狭心症薬,抗不整脈薬),血圧実習,中枢神経作用薬実習,腎臓の機能と利尿薬.

看護機能学で学んだ知識の復習や発表,質疑応答してもらいつつ薬理学を勉強する。
看護機能学で学んだ知識等については、レポートにまとめてもらうこともあり得る。


【学習の方法】
・受講のあり方
ノートを取るだけの受け身型ではなく,何故,どうして・・・等と考え,疑問をもちながら受講して欲しい.理解度やどの程度考えて受講しているかを把握するために授業中に適時質問する.講義の区切りごとに小テストをおこなう.
・授業時間外学習へのアドバイス
人体構造学や看護機能学の関連部分を予習することが望ましい。
薬理学だけを理解しようとしても無駄であることを理解すること。

【成績の評価】
・基準
筆記試験による。
科目の到達目標に達しているかどうかで判断する。
60点以上を合格とし,60点未満を不合格とする.
なお、レポート結果も参考として、成績評価に加えることがある
・方法
試験を科目終了時に行う.なお,再試験は1回限りとする.
レポートを提出しない者は、試験成績にかかわらず不合格とする。

【テキスト・参考書】
教科書: シンプル薬理学(改訂第5版)南江堂
参考書: シンプル生化学(改訂第4版)南江堂

【その他】
・学生へのメッセージ
医学部の科目はかけ算であることを理解すること。 どれかがだめだとその先は全て影響を受ける。

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