【授業概要】
・テーマ
オペレーティングシステム(OS)の機能と実現方法を学習し、情報システム設計の考え方を理解する。OSが開発されてきた背景と技術的工夫の主要要素について学習し、OSに限らず情報処理システムの設計や活用への応用を考えたい。さまざまな要素技術や分析を含む、総合的な内容であるので、具体的方法論に留まらず、全体的な見通し得るための前提を理解することが重要である。
・到達目標
OSを対象に、システム構成の概要を理解する。OSの基本概念、用語、重要事項である入出力管理、ファイルシステム、プロセススケジューリング、メモリ割当てなどについて、充分な理解を得ることを目標とする。また、これらの具体例を元に,システム設計の概要を理解することも目指す。
【科目の位置付け】
専門能力(C)の中の「コンピュータシステム」に関する科目のひとつ。関連の深い科目として、計算機アーキテクチャがある。
【授業計画】
・授業の方法
2週で1テーマずつ学習し、重要事項の説明、練習問題と解説、小テストのサイクルを繰り返す予定。
・日程
第1--2週 オペレーティングシステムの役割、機能と必要性、形成過程 第3--4週 入出力管理(割り込み処理、処理の共通化と階層化、ディスクI/Oの効率化) 第5--6週 ファイルシステム(ファイル構造、ブロックと割当管理、ディレクトリ、アクセス制御) 第7--8週 プロセス管理(バッチ処理、時分割処理、プロセススケジューリング) 第9--10週 メモリ管理(メモリ量とCPU利用率、メモリ保護機構、割当管理、仮想記憶とページング) 第11--12週 プロセス間通信(デッドロック、排他制御、セマフォ) 第13--14週 OSの構成とシステム設計(モノリシックカーネルとマイクロカーネル、分散システム、仮想計算機など) 第15週 達成度評価とまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
授業では重要な事項についてのみ説明するので、テキストを読んでの疑問などは、授業後、もしくはオフィスアワー(第1週に指示)に質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストの該当部分を読んでおくこと。 提示する練習問題に取り組むこと。
【成績の評価】
・基準
授業概要に示した目標について、用語などを選択問題等で、重要な要素技術について計算問題等で、基本概念について説明問題等で評価し、科目の全達成目標に対して60%以上の達成度を合格基準とする。2/3以上の出席が最終評価の条件である。
・方法
小テストと最終試験を行い、40/60の比率(予定)で配点する。
【テキスト・参考書】
・テキスト プリントを配布する予定。 ・授業内容に近い日本語の参考書 A.タネンバウム他,オペレーティングシステム第3版,ピアソンエデュケーション,2007. 清水謙太郎,オペレーティングシステム,岩波,1992. 前川守,オペレーティングシステム,岩波,1988. 松尾啓志, オペレーティングシステム,森北,2005. ・授業内容に近い英語の参考書 A.Silbershatz, P.B.Galvin and G.Gagne, Operating System Concepts with Java 7th ed., John-Wiley, 2007. William Stallings, OPERATING SYSTEMS - Internals and Design Principles, 3rd ed.,Prentice Hall, 1998. ・その他 河村一樹,情報システム設計・開発技術,近代科学社,1999. 伏見正則ほか, 最新情報システムの開発, 実教出版, 2006.
【その他】
・学生へのメッセージ
次の科目が履修済みであることが望ましい:計算機基礎,データ構造とアルゴリズム,プログラミング演習I
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