社会統計と農業の経済分析
 Social Statistics and Economical Analysis of Agriculture
 担当教員:保木本 利行 (HOKIMOTO Toshiyuki)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科食農環境マネジメント学コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:食料生命環境学科  科目区分:必修科目 
【授業概要】
・テーマ
本講義では、経済と社会の動きを“数字”を通して鳥瞰・分析できる力を養うことを目標として、さまざまな社会統計の利活用方法、各種アンケート調査を批判的に読み解くリサーチ・リテラシー、さらに経済現象の体系的記述の根幹にある複式簿記記帳の仕組みと方法を、実習形式も加えながら精述する。
・到達目標
本講義では、その前半部分で、社会統計整備の歴史的背景と経緯を踏まえながら、各統計資料の利用法と統計数値の整理に依拠した日本社会の構造変貌の鳥瞰像の提示を試みる。また、各種のアンケート調査を批判的に読み解くリサーチ・リテラシーを学ぶ。
講義の後半部分では、複式簿記記帳の仕組みと方法を精述し、実習形式を取り入れて記帳方法に親しむと同時に、各種の決算資料を用いて各個別経営が抱える諸問題を分析する方法を学ぶ。
・キーワード
社会統計、経済統計、リサーチ・リテラシー、複式簿記

【科目の位置付け】
コース専門必修科目

【授業計画】
・授業の方法
必要に応じて資料プリントを配付し、また、実習形式を大幅に取り入れながら講義をおこないます。
・日程
第1回:イントロダクション・“数字”を通して社会と経営を見る
第2回:資本主義社会の形成と社会統計の整備の経緯
第3回:さまざまな社会統計と私たちの暮らし
第4回:経済統計の読み方-人とモノの有様の変容
第5回:経済統計の読み方-カネが結ぶ需要と供給
第6回:経済統計の読み方-農業と地域社会の変容の経緯
第7回:社会調査の見方・考え方-データにだまされないために
第8回:お金が結ぶ社会関係と複式型記帳
第9回:資産・負債・資本・費用・収益
第10回:勘定科目と仕訳の考え方
第11回:さまざまな仕訳と元帳への転記
第12回:試算表と決算整理
第13回:決算書を用いた経営分析の方法
第14回:経営数字から見る今日の小経営
第15回:最終試験

【学習の方法】
・受講のあり方
複式簿記の内容については、授業時間中の講義ばかりではなく、自宅でのさまざまな予習・復習作業が必要になります。また、課題の提出も求めます。
・授業時間外学習へのアドバイス
広範な社会統計、経済統計の利活用にせよ、また複式簿記の習熟にせよ、皆さんにとってはじめて学ぶ講義内容が多数で、また、講義内容が積み上げ方式で進んでゆきます。毎回の講義についてゆくためには、復習、あるいは自宅での課題取組が必須になります。

【成績の評価】
・基準
社会統計にかかわる基礎的リテラシーを身につけ、また複式簿記の基本的事項を理解し、活用できること
・方法
試験・課題提出と、履修態度にもとづいて総合的に判断します。

【テキスト・参考書】
テキストは特に指定しません。授業中に印刷した資料を配付します。
なお、下記は参考まで。
梅田雅信・宇都宮浄人『経済統計の活用と論点』、東洋経済新報社、2006年
松井博『公的統計の体系と見方』日本評論社、2008年
Understanding National Accounts,OECD,2006
谷岡一郎『社会調査のウソ』文藝春秋
中村忠『簿記の考え方・学び方』、税務経理協会、2006年
沼田嘉穂、『簿記教科書』五訂新版、同文社、1980年

【その他】
・学生へのメッセージ
毎回、出席カードを配ります。そこに授業内容の感想や疑問を記入し提出して下さい。

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