自然環境調査論
 Research Method of Natural Environment
 担当教員:森林科学コース教員
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科森林科学コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:授業
 開講対象:森林科学コース  科目区分:選択科目 
【授業概要】
・テーマ
自然と環境と人生について考えるコツ(Way of thinkingの10箇条)を身につける
洞察力と観察眼を養い、仮説の創出、調査方法の組み立て、結果の取りまとめができる自分を目指す。これらを達成するため、実際の研究事例に豊富に触れ、随時出される課題をこなすことでコツをつかく、発想体験型の講義である。
・到達目標
1)日頃から、つい発想のネタを探してしまう自分
2)標準的な調査方法では飽きたらず、いつもオリジナルの工夫を加えちゃう自分
3)学んだ知識を使いこなさずにはいられない自分
・キーワード
仮説創出、野外調査、実験計画、Way of thinking

【科目の位置付け】
2年次後期の『森林生態学』で学んだ知識をフルに使った応用編の講義です。また、同時期開講の『自然環境科学実験実習』、さらには3年次後期の『自然環境解析論』と連動しています。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを使って解説し、その内容はプリントとして毎回配布する。最後の10分を目安に、100問のキーワードチェックを行い、裏面に感想・質問を記す(いくつかを次回の冒頭で紹介)。計7回のレポート課題に回答する形で次の授業が進む。
・日程
1)ガイダンスと「森林生態学」の復習
2)森林造成方法(植栽密度と間伐を考え直す)
3)天然更施業とその調査方法
4)広葉樹の発芽フェノロジー(野外調査編)
5)広葉樹の発芽フェノロジー(室内実験編)
6)広葉樹の発芽フェノロジー(地理変異編)
7)ニセアカシアの生態学 (前半の知識を総動員した研究紹介)
8)ブナの豊凶性とその予測(基礎編)
9)ブナの豊凶性とその予測(発展・応用編)
10)林冠の生態学
11)毎木調査の方法
12)人工林と侵入広葉樹(毎木調査の実践編)
13)森林の環境調査法
14)ブナ林の更新論とその調査方法(全編を通した知識を全て使う研究紹介)
15)試験

【学習の方法】
・受講のあり方
遅刻は原則として認めない。配布するプリントに補足や自らの考えを書き込むことでオリジナルの講義ノートを完成させること。
レポート課題には任意提出と義務課題があるが、すべて次回の講義の布石になっいるので、真剣に取り組むと正解を知った時の爽快感はこの上ない。
・授業時間外学習へのアドバイス
毎回配布する100問のキーワードチェックで、未知なものは各自調べること。
すでに紹介されたキーワードはプリントや参考書で復習しておくこと。

【成績の評価】
・基準
レポート計 60%、論述試験 30%(用語説明型、計算型、論述型、アイディア創出型等の問題のいずれかで評価)、取り組む姿勢 10%(チェックシート裏面のコメント、課題提出のクイックレス&プラスαの有無で評価する)。
・方法
期限より早い提出とオリジナルのプラスαを加えたレポートは加点対象とする(クイックレス&プラスα方式)

【テキスト・参考書】
その都度紹介する。寺澤和彦・小山浩正「ブナ林再生の応用生態学」文一総合出版、中静 透「森のスケッチ」東海大学出版会、菊沢喜八郎「森林の生態」共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
実際の研究を動機や失敗も含めて追体験します。最後には「どんでん返し」が待っていますが、その面白味の感じ方は、それまでの理解度によります。専門性が高い「選択」科目なので、甘くはありません。やる気のあるヒトだけ履修してください。出席はチェックシートの提出で確認しますが、裏面にコメントの無いものは出席とはみなしません。
・オフィス・アワー
別途指定の通りですが、時間がある限りいつでも結構です。

60407270-2016-06-69117