水土環境特別講義
 Special Lecture for Environmental Science and Technology for Water and Land Use
 担当教員:佐藤 友二(SATO Yuji)
 担当教員の所属:農学部非常勤講師(因幡堰土地改良区)
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:集中講義
 開講対象:水土環境科学コース  科目区分:コース選択科目 
【授業概要】
・テーマ
 農家の組織である土地改良区は,愛称で「水土里ネット」と呼ばれ、農地や農業水利施設など社会資本の整備を通し,農業生産性の向上を図ることにおいてはその中心的な役割を果たしてきた。山形県鶴岡市(旧藤島町)の農地整備や水を確保・維持管理する一連の技術と,農村社会を支えてきた様々な仕組みや習慣に代表される農村協働力を高める地域活動(住民コミュニティ)の紹介を通して現状を理解し,これからの持続可能な農村社会の実現について考える契機とする。
・到達目標
1) 農地や農業用水も含めた農業水利施設などが果たしている役割について,講義と現地調査を通して社会的共通資本としての理解と認識を深める。
2) 現在農家が求めている農地整備のあり方をもとに,将来あるべき農村の地域づくりについての自分の考えをまとめる。
・キーワード
 農業用水,農業農村整備,再生可能エネルギー(小水力),地域活動,多面的機能,因幡堰

【科目の位置付け】
 水土環境科学コースの学習目標の(1),(2),(3)に該当します。

【授業計画】
・授業の方法
 前半は配付資料やスライド及びDVDを使用して農業農村における水土里ネットが果たすべき役割などについて講義を行う。後半は農業用施設などの現地実査や農業用水と住民との結びつきを深めるための地域活動にスタッフとして参加しながら地域づくりを考察する。
・日程
2016年7~8月
第1回 土地改良区の歴史
第2回 水土里ネットの役割
第3回 庄内農業農村の現状と新たな地域づくりとしての役割
第4回 地域と農業用水の現状
第5回 農業用施設などの現場実査
第6回 都市農村交流活動の計画
第7回 都市農村交流活動の運営
第8回 都市農村交流活動のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
 水土里ネットの視点から見えてくる農村の経済と生活空間としての社会や環境,更には農業農村の持つ多面的機能の発現などについて興味を持って受講してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 農村が直面する問題と課題や多面的機能の発揮などについて,水土里ネットがどのように関わっているかを様々な角度から積極的に調べてください。

【成績の評価】
・基準
 講義で行った本地域の情報をもとに,農村の現状を理解し,地域における水土里ネットへの期待と新たな役割について考察を深めたか評価する。
・方法
平常点(講義での水土里ネットへの理解レポート)50点+最終まとめレポート50点

【テキスト・参考書】
その都度資料を配付します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 農村を単なる農業生産活動の場(経済)や生活の場(社会)更にはこれらを包括的に捉えた豊かな二次的自然(環境)としてだけ捉えるのではなく,そこに住まう農村の協働力にも目を向けながら,農村振興の即戦力と成り得るよう心の芽とその力を培ってほしい。
・オフィス・アワー
集中講義の際に連絡先を伝えます。

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